黒目のある大赤斑2023/08/09

20230809木星
本日9日未明に木星の衛星イオの影が大赤斑に重なる現象が起きました。結構前に発見して楽しみにしていたのですが…当日まさかの天気雨…。遠くの稲光も時々空を照らしていました。

雨雲がひっきりなしに流れているのに所々晴れ間があって、そこだけ別世界のように月や木星がきれいに見えるから諦めが付きません。なんという生殺し…。そこで、降雨レーダーとにらめっこしながら撮影できそうなタイミングを見計らって、無理矢理撮ってみることにしました。レーダーで見る雨雲と雨雲の合間が長そうなところと実際の空とでは微妙に違います。実際準備中に(上空は晴れているのに)雨が舞ってきた時間もありました。

20230809木星
雲通過の洗礼を浴びつつも、苦労の甲斐あって30分あまりの間隔をおいて二つのシーンをかき集めることができました。快晴時とは比較にならないほど悪像の連続で光量も激しく上下しましたが、なんとか画像処理を駆使してブログ掲載できる状態まで持って行くことができました。

今回のような名も無い現象を予測できるようになれれば楽しいのですが、考えてみるとそもそも大赤斑の位置が不安定です。小さくて高速な衛星やその影が大赤斑の位置にぴったり来るかどうかの判定ができるか、ちょっと自信がありませんね。影が木星に投影されているかの判定は分かるのですが、その位置から体系1や2への経度換算、更に大赤斑の経度予測など曖昧さを含めて組み込まなくてはなりません。仮に計算できたとしても正確さが担保できるのは向こう1、2年程度でしょうか。

何はともあれ、記録できて本当に良かった。撤収作業の最後のころには結構な雨になってしまい、月を写すどころではありませんでした。