昨夜の月2022/11/03

20221102_10525月
昨夜から今朝にかけても雲の多い空。宵のうち少しだけ雲の切れ間があったので月を撮影できました。

左は19:30頃の撮影で、太陽黄経差は約105.25°、撮影高度は約34.15°、月齢7.99。28時間ほど前に上弦を迎えているので欠け際がすっかり膨らみ始め、直線壁まで日が当たり始めていますね。前の晩は曇ってしまい月面X&LOVE地形の出現が全く見えませんでした。この画像ではかなり明るくなってますが、まだ各地形の存在を確認することができます。

秤動のおかげで東リム側のフンボルト海やスミス海などが非常に良く見えます。2022年5月11日記事で取り上げたヒラヤマ・クレーターまであと少し。来週の皆既月食には部分月食の終わり近くに地球影が抜けてゆく少し北側にヒラヤマを含むサテライト・クレーター群が見えている計算ですから、皆既が終わってもすぐ望遠鏡を片づけたりせず、わずかに欠け始まるリム沿いの地形を探してみてください。

今日の太陽と晴天特異日のこと2022/11/03

20221103太陽
昨夜から今日未明まで曇り、明け方は快晴になったようです。朝からも暖かい天気が続きますが、そのせいで透明度が悪くなりました。また午後になって5m/sを越える風が吹いています。

20221103太陽リム
左は10時前の太陽。左上リムに現れていた小黒点付近は活動領域13137となりました。右上の13131近くにプラージュが見えてますね。南半球のフィラメントが凄いことになってます。立体的に見たらどうなってるんだろう?1時間位おいて撮影した2シーンから立体画像が作れそうです。どなたかやってみてください。昨日も見えましたが、左上リム、高緯度のプロミネンスも大きくなって素晴らしいですね。

天気出現率・東京
今日は文化の日。東京の「晴天特異日」とよく言われます。2017年11月3日記事で「天気のシンギュラリティ(特異日)」を取り上げ、この「文化の日が晴天特異日ではなさそう」ということを検証しました。久しぶりに東京管区気象台のサイトを訪ねると天気出現率のページが1991年からの統計に刷新されていたので、前出記事に倣って東京の天気出現率グラフを描いてみました(左図)。

この統計で「晴れ」の出現率が多い順にソートすると、トップはやはり12月24日(93.3%)、次いで1月3日(90.0%)になりました。80%以上の日は24日もありますが、以前の統計からは4日も減っています。また本日11月3日の晴れの出現率は56.7%(前回は70.0%)、121位タイとかなり低いものでした。やはり文化の日が晴天特異日というのは都市伝説っぽいですね(今のところ確かな証拠が見つかりません)。年間総じて晴れる日は減っているようで、関東の天文屋から見れば由々しき事態でしょうか。おそらく関東だけの問題では無さそうです。

ついでに当地・茨城の県庁である水戸、および水戸と概ね同緯度の石川県金沢についてもグラフ化しました(下画像)。気象庁による雲量の目視観測が廃止される現状、こうした統計は今後やらなくなる/減らされるというお話だそうで、それも問題です(→2020年1月27日記事参照)。

  • 天気出現率・水戸

    A.天気出現率・水戸
  • 天気出現率・金沢

    B.天気出現率・金沢


付記:気象台の統計によると、天気の分類は以下の1から4に向かって判断します。
  • 優先順位1・「雪」:雪日数に数えられる大気現象(雪、霧雪、細氷、ふぶき)が観測された
  • 優先順位2・「雨」:日降水量が1.0㎜以上あった
  • 優先順位3・「曇」:日降水量が1.0㎜未満で、日平均雲量が8.5以上あった
  • 優先順位4・「晴」:日平均雲量が8.5未満だった
  • うるう日の2月29日は件数が少ないので統計から除きます。