2022年の真夏日と熱中症集計 ― 2022/10/22
昨日21日に消防庁から「令和4年の熱中症による救急搬送状況」9月の確定値が発表になり、5月からの確定データが全て揃いました(→消防庁・熱中症関連サイト)。これに従い毎年作っている「真夏日と熱中症」の関連データを集計しましたので、左にグラフを掲載します。(※一部の集計データは記事下のアーカイブにリンクさせてあります。)
一見して分かるように、今年の特徴は梅雨の真っただ中という早期に搬送者が年間最大を記録したところ。6月合計人数は15969。例年だと6月合計は8月合計の1、2割程度で、特に多かった2011年で39.7%、2014年で30.5%でした。ところが今年は78.9%にのぼっています。5-9月全体の搬送者合計も、2011年以降の統計では2018年、2019年に次ぐ三番目の多さです。1日あたりの搬送者最高値は7月1日の2769人、死亡者数最高値も同日の10人でした。梅雨期間が異様に短かった2017・2018年ほどではないにしろ、総じて短く小雨傾向の梅雨、それなのに短時間の降雨が極端に多いことと関連があるかも知れませんね。
アメダス観測地点総数914に対し、日ごとの真夏日地点数最高値は7月31日の725。これだけ見ると例年並ですが、統計期間ののべ地点数は真夏日41216、猛暑日3789で、特に真夏日地点は2018年の39913を抜いて過去最高になってしまいました。計画停電などの事態は辛くも免れたものの、今後も上昇が続くようなら厳しい状況が続くでしょう。真夏・真冬の電力不足は命取りです。極端な気候の乱高下は勘弁してもらいたいですが…。
参考:
アーカイブ「真夏日と熱中症」
アーカイブ「梅雨」
一見して分かるように、今年の特徴は梅雨の真っただ中という早期に搬送者が年間最大を記録したところ。6月合計人数は15969。例年だと6月合計は8月合計の1、2割程度で、特に多かった2011年で39.7%、2014年で30.5%でした。ところが今年は78.9%にのぼっています。5-9月全体の搬送者合計も、2011年以降の統計では2018年、2019年に次ぐ三番目の多さです。1日あたりの搬送者最高値は7月1日の2769人、死亡者数最高値も同日の10人でした。梅雨期間が異様に短かった2017・2018年ほどではないにしろ、総じて短く小雨傾向の梅雨、それなのに短時間の降雨が極端に多いことと関連があるかも知れませんね。
アメダス観測地点総数914に対し、日ごとの真夏日地点数最高値は7月31日の725。これだけ見ると例年並ですが、統計期間ののべ地点数は真夏日41216、猛暑日3789で、特に真夏日地点は2018年の39913を抜いて過去最高になってしまいました。計画停電などの事態は辛くも免れたものの、今後も上昇が続くようなら厳しい状況が続くでしょう。真夏・真冬の電力不足は命取りです。極端な気候の乱高下は勘弁してもらいたいですが…。
参考:
アーカイブ「真夏日と熱中症」
アーカイブ「梅雨」
ゆっくりやって来た金星外合 ― 2022/10/22
外合を迎えようとする金星が太陽観測衛星SOHOのLASO-C3写野内にすがたを現したのは1ヶ月前、9月22日でした。左画像はその二日後、9月24日のもの。右端に見える輝きが金星、太陽は中央白丸位置で、遮光板に隠されています。本日22日のLASCO-C2・13:36JST画像(右下の赤い画像)ではもう少しで縦並び。明日23日にやっと外合になり、更に1ヶ月かけてゆっくりLASO-C3写野の残り半分を移動してゆくでしょう。
太陽を挟んで軌道の反対側にいる金星は見かけの動きが遅く、なかなかじれったい…。内合の場合は同じ写野を10日ほどで横切ってしまいますから全然違いますね。でもこんなところに太陽系の「奥行き」に触れることができるので面白いもんだなぁと感じます。
ところで2020年6月の金星内合の際に金星と太陽との位置関係を図化し、その経路が「8年ごとに繰り返す5つのグループ」に分かれることを示しました(→2020年6月5日記事参照)。では、外合の際も同じことが起こるでしょうか?そう思って描いたのが右下図です。2000年以降2040年までに起こる全ての外合について、太陽に対する金星の地心位置差を計算。外合日(JST)を中心に前後5日間の位置関係を描きました。太陽近くをゆっくり動くため内合時の図より拡大してありますが、基本的には同じものです。
内合の図と同じように直交座標で表し、中央のオレンジ円が太陽(直径0.5°固定)、最小枡が1°×1°の黄経差(横軸)と黄緯差(縦軸)です。経路を示す線上の大きい丸マーカーは各日0:00JSTの位置で、最小マーカー間隔は3時間。地球に対する外合現象ですから金星は常に右から左へ移動し、日付が矢印マークで描いてある日のどこかで外合になるわけです。ご覧のように内合同様、見事に5グループに分かれました。今回の外合は北側から二番目のグループに入っています。
ところで、みなさんがお使いの天文カレンダーや年鑑などに外合日が10月21日と書かれていないでしょうか?むしろ21日表記のほうが圧倒的多数ではないかと思われます。これは「赤道座標系」と「黄道座標系」との基準違いによるものです。私は太陽系天体の位置関係ならば黄道座標系(地球軌道面が基準)でとらえるべきと考えているので、特に断りの無い限りブログ内でもそうしています。
ふたつの座標系でどれくらいずれてしまうのか、金星外合を例に下表に示しました。これは合だけでなく、衝、留、矩など、太陽系天体同士の位置関係すべてにこうしたずれがあるということです。どちらが良いか悪いかではなく、どんな目的でその現象日時を表記するかによって適切に切り替える必要があるでしょう。
むしろ問題なのは天文施設や専門情報サイトなどがしっかり考えること無く「右へ倣え」でデッドコピーしてしまう傾向なこと。多くの天文カレンダーにはどの座標系で計算してるかなんて書いてありませんから、誤解しないよう(させないよう)注意が必要です。そろそろ来年の天文カレンダーや年鑑の発売時期なので、表記ポリシーを比べてみてください。
太陽を挟んで軌道の反対側にいる金星は見かけの動きが遅く、なかなかじれったい…。内合の場合は同じ写野を10日ほどで横切ってしまいますから全然違いますね。でもこんなところに太陽系の「奥行き」に触れることができるので面白いもんだなぁと感じます。
ところで2020年6月の金星内合の際に金星と太陽との位置関係を図化し、その経路が「8年ごとに繰り返す5つのグループ」に分かれることを示しました(→2020年6月5日記事参照)。では、外合の際も同じことが起こるでしょうか?そう思って描いたのが右下図です。2000年以降2040年までに起こる全ての外合について、太陽に対する金星の地心位置差を計算。外合日(JST)を中心に前後5日間の位置関係を描きました。太陽近くをゆっくり動くため内合時の図より拡大してありますが、基本的には同じものです。
内合の図と同じように直交座標で表し、中央のオレンジ円が太陽(直径0.5°固定)、最小枡が1°×1°の黄経差(横軸)と黄緯差(縦軸)です。経路を示す線上の大きい丸マーカーは各日0:00JSTの位置で、最小マーカー間隔は3時間。地球に対する外合現象ですから金星は常に右から左へ移動し、日付が矢印マークで描いてある日のどこかで外合になるわけです。ご覧のように内合同様、見事に5グループに分かれました。今回の外合は北側から二番目のグループに入っています。
ところで、みなさんがお使いの天文カレンダーや年鑑などに外合日が10月21日と書かれていないでしょうか?むしろ21日表記のほうが圧倒的多数ではないかと思われます。これは「赤道座標系」と「黄道座標系」との基準違いによるものです。私は太陽系天体の位置関係ならば黄道座標系(地球軌道面が基準)でとらえるべきと考えているので、特に断りの無い限りブログ内でもそうしています。
ふたつの座標系でどれくらいずれてしまうのか、金星外合を例に下表に示しました。これは合だけでなく、衝、留、矩など、太陽系天体同士の位置関係すべてにこうしたずれがあるということです。どちらが良いか悪いかではなく、どんな目的でその現象日時を表記するかによって適切に切り替える必要があるでしょう。
むしろ問題なのは天文施設や専門情報サイトなどがしっかり考えること無く「右へ倣え」でデッドコピーしてしまう傾向なこと。多くの天文カレンダーにはどの座標系で計算してるかなんて書いてありませんから、誤解しないよう(させないよう)注意が必要です。そろそろ来年の天文カレンダーや年鑑の発売時期なので、表記ポリシーを比べてみてください。
【金星の外合瞬時・黄道座標系と赤道座標系での違い・2020-2070年調べ】
黄経外合日付(JST) | 黄経外合時刻(JST) | 赤経外合日付(JST) | 赤経外合時刻(JST) | 差分 |
---|---|---|---|---|
2021年3月26日 | 15:57:43 | 2021年3月24日 | 7:13:47 | 2日 8時間 44分 |
2022年10月23日 | 6:17:25 | 2022年10月21日 | 15:09:47 | 1日 15時間 8分 |
2024年6月5日 | 0:33:26 | 2024年6月4日 | 23:56:27 | 0日 0時間 37分 |
2026年1月7日 | 1:36:00 | 2026年1月6日 | 17:12:59 | 0日 8時間 23分 |
2027年8月12日 | 9:20:53 | 2027年8月10日 | 23:21:06 | 1日 10時間 0分 |
2029年3月24日 | 5:11:53 | 2029年3月21日 | 19:32:21 | 2日 9時間 40分 |
2030年10月20日 | 20:12:27 | 2030年10月19日 | 2:58:02 | 1日 17時間 14分 |
2032年6月2日 | 18:07:27 | 2032年6月2日 | 16:47:06 | 0日 1時間 20分 |
2034年1月4日 | 11:10:17 | 2034年1月4日 | 4:39:37 | 0日 6時間 31分 |
2035年8月10日 | 3:40:15 | 2035年8月8日 | 19:29:59 | 1日 8時間 10分 |
2037年3月21日 | 18:15:43 | 2037年3月19日 | 7:52:40 | 2日 10時間 23分 |
2038年10月18日 | 10:40:38 | 2038年10月16日 | 15:28:57 | 1日 19時間 12分 |
2040年5月31日 | 11:25:01 | 2040年5月31日 | 9:11:52 | 0日 2時間 13分 |
2042年1月1日 | 21:16:45 | 2042年1月1日 | 16:25:55 | 0日 4時間 51分 |
2043年8月7日 | 21:40:16 | 2043年8月6日 | 15:20:51 | 1日 6時間 19分 |
2045年3月19日 | 7:23:26 | 2045年3月16日 | 20:29:48 | 2日 10時間 54分 |
2046年10月16日 | 1:01:52 | 2046年10月14日 | 4:00:17 | 1日 21時間 2分 |
2048年5月29日 | 4:51:25 | 2048年5月29日 | 1:36:33 | 0日 3時間 15分 |
2049年12月30日 | 6:53:22 | 2049年12月30日 | 3:31:49 | 0日 3時間 22分 |
2051年8月5日 | 15:57:26 | 2051年8月4日 | 11:30:05 | 1日 4時間 27分 |
2053年3月16日 | 20:05:00 | 2053年3月14日 | 8:57:11 | 2日 11時間 8分 |
2054年10月13日 | 15:45:10 | 2054年10月11日 | 17:01:40 | 1日 22時間 44分 |
2056年5月26日 | 22:18:58 | 2056年5月26日 | 17:53:20 | 0日 4時間 26分 |
2057年12月27日 | 16:31:38 | 2057年12月27日 | 14:26:55 | 0日 2時間 5分 |
2059年8月3日 | 10:22:32 | 2059年8月2日 | 7:47:31 | 1日 2時間 35分 |
2061年3月14日 | 8:34:53 | 2061年3月11日 | 21:25:03 | 2日 11時間 10分 |
2062年10月11日 | 6:45:25 | 2062年10月9日 | 6:28:30 | 2日 0時間 17分 |
2064年5月24日 | 15:20:01 | 2064年5月24日 | 9:34:12 | 0日 5時間 46分 |
2065年12月25日 | 2:33:17 | 2065年12月25日 | 1:31:03 | 0日 1時間 2分 |
2067年8月1日 | 4:38:34 | 2067年7月31日 | 3:56:27 | 1日 0時間 42分 |
2069年3月11日 | 21:13:47 | 2069年3月9日 | 10:15:34 | 2日 10時間 58分 |
黄経外合日付(JST) | 黄経外合時刻(JST) | 赤経外合日付(JST) | 赤経外合時刻(JST) | 差分 |
- 自作プログラムによる計算です。