南北にのびた奇妙な降水域2022/07/08

20220708-1000JSTナウキャスト
昨夜深夜近くに天気を調べるため気象庁の降水ナウキャストなどを見て回ったところ、西日本を南北に横切った降水域があるのを見つけました。通常日本付近の前線が縦に延びることは少なく、大抵の降雨は東西を機軸に分布します。でも昨夜レーダーに写っていたものは不自然に思えるほどまっすぐ伸びていました。ものすごい違和感を覚えながらも何かの間違いかなと睡魔に負けて一旦終了。

朝になってあらためて見るとまだ伸びてる!左は本日8日10時の降水ナウキャストです(気象庁サイトから引用)。今度はしっかり衛星画像なども併せて確かめました。発達した雲は間違いなく南北に伸びていたのです。元を辿ると関東沖にまだ居座っている「元・台風4号」の仕業でした。

20220708-1000JST気象衛星
右は同じく10時の衛星画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。ナチュラルカラー処理のため、薄水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。大陸から日本海を経て中国地方や四国を縦断、太平洋側で120°ほど東へ折れてしばらく進み、また120°ほど東へ折れて低気圧中心付近へ到達しています。

台風や低気圧を構成する腕の部分が滑らかな曲線ではなく「多角形状の腕(Polygonal Arms)」に成る現象はしばしば見受けられるのですが、今回の直線状に縦断した降水域はまさにこの腕の一部だったんですね。いやぁ、びっくりしました。

なお右画像欄外になりますが、この低気圧の北東(ハワイ諸島北西)にももうひとつ大きな低気圧があって、ふたつの低気圧がやや直線的に伸びた腕をつなぐように仲良く並んでいます。ご興味ある方は調べてみましょう。それにしても「元・台風4号」がしつこくて東関東がなかなか晴れてくれません…。

【16:30追記】
夕方が近くなってもまだ直線状の降水域は健在でした。下A・Bは15:00の降水ナウキャストおよび気象衛星画像。見ると、雨を降らせている帯状の雲のほか、その東側(石川県から愛知県にかけて)に魚の背骨のような雲が伸びてますね。真っすぐさで言ったらこちらのほうが目立つかも。雨の地域が昨夜からほとんど移動していないため、このまま数日続いたら総雨量が土砂災害レベルに達してしまうかも知れません。

  • 20220708-1500JST降水ナウキャスト

    A.
  • 20220708-1500JST気象衛星

    B.


コメント

トラックバック