束の間の七夕2022/07/08

20220707七夕の星空
七夕の夜、ほんの二時間ほど雲が途切れ、織り姫星や彦星、うっすら流れる天の川が顔をのぞかせました。新暦七夕に晴れるなんて何年ぶりでしょう。しばし頭を空っぽにして星々を堪能しました。

左はセミ魚眼での撮影です。夏の大三角を中心に左寄りの北極星やカシオペア、右寄りのいて座やさそり座まで押し込めた一枚。上弦過ぎの月は西空(画像上側)低空に隠れています。実際は光害たっぷりで真っ白なため、かなり減光処理を施しました。撮影時の天頂はベガの少し右上付近。

少し霞みがかって白っぽかったせいか、はくちょう座付近の天の川が心眼で分かる程度でした。直前まで成田空港の着陸便がたくさん飛び交っていたのですが、23時近くになりほとんど見えなくなりました。このあとすぐ雲が湧き出し、天文薄明開始頃まで雲に覆われてしまいました。一年に一度、束の間のデートを楽しめたでしょうか?

南北にのびた奇妙な降水域2022/07/08

20220708-1000JSTナウキャスト
昨夜深夜近くに天気を調べるため気象庁の降水ナウキャストなどを見て回ったところ、西日本を南北に横切った降水域があるのを見つけました。通常日本付近の前線が縦に延びることは少なく、大抵の降雨は東西を機軸に分布します。でも昨夜レーダーに写っていたものは不自然に思えるほどまっすぐ伸びていました。ものすごい違和感を覚えながらも何かの間違いかなと睡魔に負けて一旦終了。

朝になってあらためて見るとまだ伸びてる!左は本日8日10時の降水ナウキャストです(気象庁サイトから引用)。今度はしっかり衛星画像なども併せて確かめました。発達した雲は間違いなく南北に伸びていたのです。元を辿ると関東沖にまだ居座っている「元・台風4号」の仕業でした。

20220708-1000JST気象衛星
右は同じく10時の衛星画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。ナチュラルカラー処理のため、薄水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。大陸から日本海を経て中国地方や四国を縦断、太平洋側で120°ほど東へ折れてしばらく進み、また120°ほど東へ折れて低気圧中心付近へ到達しています。

台風や低気圧を構成する腕の部分が滑らかな曲線ではなく「多角形状の腕(Polygonal Arms)」に成る現象はしばしば見受けられるのですが、今回の直線状に縦断した降水域はまさにこの腕の一部だったんですね。いやぁ、びっくりしました。

なお右画像欄外になりますが、この低気圧の北東(ハワイ諸島北西)にももうひとつ大きな低気圧があって、ふたつの低気圧がやや直線的に伸びた腕をつなぐように仲良く並んでいます。ご興味ある方は調べてみましょう。それにしても「元・台風4号」がしつこくて東関東がなかなか晴れてくれません…。

【16:30追記】
夕方が近くなってもまだ直線状の降水域は健在でした。下A・Bは15:00の降水ナウキャストおよび気象衛星画像。見ると、雨を降らせている帯状の雲のほか、その東側(石川県から愛知県にかけて)に魚の背骨のような雲が伸びてますね。真っすぐさで言ったらこちらのほうが目立つかも。雨の地域が昨夜からほとんど移動していないため、このまま数日続いたら総雨量が土砂災害レベルに達してしまうかも知れません。

  • 20220708-1500JST降水ナウキャスト

    A.
  • 20220708-1500JST気象衛星

    B.


今日の太陽2022/07/08

20220708太陽
昨夜から今朝は曇り一時晴れ。かろうじて七夕の星々が楽しめました。今日は午前中に少し雲が多く残ったものの、午後はゆっくり回復。でも夜はまた曇りや雨の予報です。

20220708太陽リム
左は13:20ごろの太陽。左下のプラージュに包まれた黒点周囲が13055と採番されました。トータルで確認できる活動領域は昨日から1減って10ヶ所。大きな黒点のある13053がだんだん中央に近づき、細かな部分がよく見えています。左リム側のプロミネンスは相変わらず豪勢ですね。また南半球の長いダークフィラメントも継続しています。

気象庁アメダス速報値による15時時点の夏日地点数は809、真夏日地点数は420、猛暑日地点数は0。太平洋側にある低気圧が北東の風を運んでくれたので、関東などでは強い日差しの割に過ごしやすい気温です。