縁の海やスミス海も見頃でした2021/12/13

20211212縁の海・スミス海付近

11日宵のフンボルト海とともに良く見えていた縁の海やスミス海を12日宵に観察してみました。前日より若干奥へ後退したものの、まだ見頃は続いています。

今回も縁地形を上にしてフレーミング。ただ、天気の変わり目だったらしく準備中から雲が通過し始める始末。おかげで予定の半分ほどしかフレーム数を取得できずに曇ってしまいました。それでも何とか仕上げたのが上画像。月縁上部にあるふたつの暗いエリアのうち、左が縁の海、右がスミス海です。画像左1/3ほどは11日撮影のフンボルト海画像の右1/3ほどと共通しています。また右端近くにフンボルト・クレーターが写っています。

ところで、月面の座標中心が観測者方向を向いている(センタームーン状態)とすると、大雑把には経度がマイナス90°からプラス90°に挟まれた範囲が見えることになります。(実際は有限の距離から観測するため、僅かに90°より内側になりますが、微々たる量です。)これより外側は「月の裏」として秤動がなければ見えません。秤動でどこまで見えるかは日々変化しますから、マイナス90°(西経90°)とプラス90°(東経90°)付近の地形やクレーターを覚えておくと便利です。

月縁近くの地形
右は簡易的に作った月面図で、画像中心の赤+印が座標中心、赤点線が経度90°ライン。主な地形名を書いておきました(地図ベース画像はUSGSのサイトより引用)。理科の時間に聞いたような名前のオンパレードで楽しいですね。月の観察がてら偉人たちの功績をたどると歴史の勉強にもなります。

あらためて上画像を見ると、縁の海の奥にあるゴダードやハッブルは余裕で見えており、更に奥のジョリオも確認できます(キュリー夫人の娘婿で物理学者・フレデリック・ジョリオ=キュリーさんのクレーター)。また不鮮明ながらスミス海の奥にあるヒラヤマ・クレーターも写っていますよ(天文学者・平山清次さんと、同姓の天文学者・平山信さんのお二人のクレーター)。

今日の太陽2021/12/13

20211213太陽
昨夜は晴れのち曇り、夜半以降は快晴。今日朝からも快晴で、遠くの富士山がクッキリ。午前中から6-7m/sの強風が吹き荒れ、近くのアメダスポイントでは昼前に9.2m/sを記録しました。

20211213太陽リム
左は9:50頃の太陽。右下に寄った活動領域12904と、昨日現れた南半球左側の黒点周囲が12905と採番されました。このほか赤道を挟んで12905の反対側にも小さな黒点群があります。また左下リムに見えてきた活発な領域の中にもかすかな黒点ができています。

右上リムのプロミネンスはしぶとく見えていますね。右下にも結構大きなプロミネンス。左サイドもにぎやかになってきました。

2021年の台風22号が発生2021/12/13


20211213-1500JST台風22号
気象庁によりますと、昨日発生していた「台風になるかも知れない熱帯低気圧」が本日15:00に台風22号「ライ/RAI」になったとのこと。直前の台風21号発生から13日と6時間後、21号消滅から9日後の発生になりました。

左は発生時刻15:00の気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。赤点線円は台風中心の直径1000km円。ナチュラルカラー処理のため、薄水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。鹿児島県の一部や南西諸島が画像上端・中央付近にあります。

22号は西進しており、日本への直接的影響はなさそうです。でもフィリピン南部を中心に大荒れになりそうですね。落ち着いて年末を過ごせないのは本当に気の毒…。先のアメリカでの竜巻被害や日本で頻発してる地震も含め、自然災害は季節を問わず人間の都合もお構いなしに発生します。対岸の火事などと言わず、身を引き締めなくてはなりません。

なお12月の台風発生個数平年値は1.0個、年間では25.1個。今年は今日時点で22個目ですから、平年よりかなり少ないです。平年値は長期的にそう変わりませんから、どこかの年で必ずリバウンドが起こると予想されます。なんだか怖いですね…。