発達してきた台風10号、新たに熱帯低気圧も2016/08/24


20160824-0900気象衛星画像
今日も当地・茨城は雲が多く、すっきりしません。少なくとも向こう一週間はぐずついたお天気が続きそうな予報。今夜はこの数十年前後のなかで火星がもっともアンタレスに近づく日ですが、見られない確率が大きいです。

さて、強い台風10号はどうやら再び南西へ移動しているようです。そしてなんと!24時間以内に台風になるかも知れない熱帯低気圧がまた発生しました。左画像は本日9時の気象衛星画像(画像元:NICTサイエンスクラウド/経緯線などは筆者)。各赤点円は台風/熱帯低気圧中心の直径500km円です。

台風はさほど大きくないものの、大変発達しています。昨日の画像では分からなかった台風の目が、今日ははっきり見えていますね。今後更に強まる見込みで、明日の朝には「非常に強い台風」つまり中心付近の最大風速が44m/sを越えるとの予報です。(しかもそれで頭打ちになるわけではありません。)移動が極端に遅いため、何日も何日も留まって勢力を保持する恐れがあります。

今日発表された熱帯低気圧は台風10号の南東に位置します。今は渦らしい渦がほとんど見えませんが、北北東に移動しながら強まるかも知れません。なんだか気が休まりませんね。

地球の北極側を通過する月2016/08/24


台風の話題ばかり続いているので、ちょっと息抜き。

気象衛星ひまわりの画像に月などが写り込むチャンスがあり、当ブログでも時々紹介しています。下画像は昨日8月23日撮影の全球画像(画像元:NICTサイエンスクラウド)のなかで、15:40から連続3コマ(10分間隔)より切り出したもの。ちょうど月齢20.4の月が地球の北極側を通過する様子が写っていました。ため息が出るほど美しい光景ですね。

  • 20160823-1540気象衛星画像

    2016/8/23・15:40
  • 20160823-1550気象衛星画像

    2016/8/23・15:50
  • 20160823-1600気象衛星画像

    2016/8/23・16:00

今日の太陽とお天気の様子2016/08/24

20160824太陽
昨日に続き、今日も不安定な関東でした。

左画像はやっと晴れ間が出てきた夕方16:20過ぎの太陽。右に寄った活動領域12578や中央の12579が確認できますが、相変わらずおとなしいですね。プロミネンスもほとんど見えません。

当地・茨城県南は昨夜雨が降った時間もありましたが、今日午前中は雲が多いものの日差しがあり、雨が降る気配もありません。でも10時台から千葉県に湧いた雨雲が昼過ぎに押し寄せてきました。13時から15時にかけては土砂降りのところもあったようです。気温は下館の30.2度が最高でいつもよりは暑くありませんが、まとわりつくような湿気で気持ちが悪いです。

利根川ダム統合管理事務所発表、今日15時現在の利根川上流8ダムの貯水状況は下表の通りでした。10日9:00に208340万m³という、取水制限以降のピークを観測してから下がり続けていた貯水量でしたが、この二日間でそれを越える水が溜まりました。台風様様ですね。この増水を受けて、6月16日9:00から行われていた10%取水制限は、本日24日9:00より一時的に解除となりました。

【利根川上流8ダムの貯水状況・2016年8月24日15:00現在】
場所貯水量(万m³)貯水率(%)0:00からの変化
下久保ダム5238.161.622.75%↑
矢木沢ダム5402.546.770.36%↑
奈良俣ダム3861.753.630.17%↑
草木ダム2975.997.570.33%↑
藤原ダム1274.786.774.14%↓
渡良瀬貯水池1286.7100.000.00%→
相俣ダム660.962.351.48%↑
薗原ダム367.2100.000.00%→
8ダム合計21067.761.33
(対平年値:79.41%)
0.73%↑

火星とアンタレスが大接近2016/08/24


20160824火星とアンタレスの接近
本日24日はずっと不安定な天気でしたが、夕方から日没後の頃まで一時的に青空が広がりました。西空では水星・金星・木星が大接近していたはずで、金星のみ確認できたのですが、他の二惑星が見えるほど暗くなる前に低空の雲に没しました。

でもその後に見えてきた南空の火星・土星・アンタレスはまだ大丈夫そう。19時過ぎのまだ薄暮が残る中、低空から迫る雲に隠される前になんとか写真に収めることができました(左画像)。撮影した範囲は右下星図の白矩形範囲ですので、どこにどんな星があるか探してください。

20160824火星とアンタレスの接近
昨日は火星とアンタレスが最接近する日でした。4月4日の記事などで、今年の「火星とアンタレスの接近」は2回あると案内してきましたが、その2回目だったんです。この接近は、前後数十年の中で一番近い貴重なものでした。

さそり座のアンタレスは「火星(軍神アレス)の赤さに対抗(アンチ)する星」という意味を持つ名。それというのも、挑発するかのように火星が時々近くにやってきて、並んで光る様子が人々の目にとまったからでしょう。2年あまりかけて天球を一周する火星は、それに近い周期でアンタレスに近づくのです。でも毎回同じような接近ではありません。近かったり遠かったり、火星が明るかったり暗かったり、実に多様なのです。

記事末の表には、1900年頭から2099年末までの200年間に火星とアンタレスが見かけ上で3°以内に接近する時期をまとめました。なかでも2°以内になるケースはピンク色の文字にしてあります。今回がいかに貴重な接近だったかお分かりになるでしょう。この記事を読んでいらっしゃる多くの方にとって、最初で最後の機会と思います。急に離れてしまうわけではないので、まだご覧になってない方は近日中にぜひ!

下表を作成中、時々接近期間が長い場合があることに気付きました。例えば1922年や1969年、2048年などです。分割されていますが1969年や2048年は年内2度に渡って10日以上接近してますね。1922年と2048年の星図をステラナビゲーターで描いてみました(下図)。白い小さな丸が二日毎の火星位置。このようにアンタレスのすぐ側で逆行→順行または順行→逆行に方向転換する「留」が起こるときは、接近の期間が長くなるわけです。

  • 1922年火星とアンタレスの接近

    1922年の接近
  • 2048年火星とアンタレスの接近

    2048年の接近

【火星とアンタレスが見かけ上で3°以内に接近する時期・1900年-2099年調べ】
期間開始期間終了日数期間中の最小離角(実現日)
1905年9月2日1905年9月7日6日間2.31°(1905年9月5日)
1920年9月16日1920年9月19日4日間2.80°(1920年9月18日)
1922年7月9日1922年7月25日17日間2.48°(1922年7月17日)
1937年8月22日1937年8月30日9日間1.90°(1937年8月26日)
1952年9月9日1952年9月13日5日間2.55°(1952年9月11日)
1967年9月23日1967年9月24日2日間2.96°(1967年9月23日)
1969年5月30日1969年6月8日10日間2.41°(1969年6月3日)
1969年8月5日1969年8月18日14日間1.27°(1969年8月12日)
1984年8月31日1984年9月6日7日間2.23°(1984年9月3日)
1999年9月16日1999年9月19日4日間2.76°(1999年9月17日)
2016年8月20日2016年8月28日9日間1.79°(2016年8月24日)
2031年9月8日2031年9月13日6日間2.50°(2031年9月11日)
2046年9月22日2046年9月23日2日間2.92°(2046年9月22日)
2048年6月7日2048年6月22日16日間1.75°(2048年6月14日)
2048年7月29日2048年8月14日17日間1.08°(2048年8月7日)
2063年8月30日2063年9月6日8日間2.17°(2063年9月3日)
2078年9月15日2078年9月18日4日間2.71°(2078年9月16日)
2095年8月18日2095年8月27日10日間1.68°(2095年8月23日)

※自作ソフトによる簡易計算で、1900年1月1日から2099年12月31日までの日単位比較です。厳密な計算ではないのであしからず。
※離角は各日21時JSTでの計算値です。最小離角や実現日は各期間の極小に近いですが、極小値そのものではありません。