8月いきなり全国の大気が不安定 ― 2016/08/01
8月最初の空は一日を通して不安定そのものでした。午前中から遠方に入道雲の発達が見え、昼には茨城県内の一部でも強い雷雨に見舞われました。それでも関東の他地域と比べたら被害が最小限だったようです。
午後に日が差すタイミングで太陽を撮影しましたが、あまりにも像がボケボケだったので仕上げませんでした。8月にいきなり欠測です。トホホ…。
左画像は、これでもかなり落ち着いた夕方の西空。低空に怪しい色の雲が漂っています。太陽が隠れて明るく光る雲は金床雲のように見えますが違います。わずかに左側の幻日が見えましたが、撮影準備の間に消えてしまいました。雲の上方は一見青空だけしか見えないようですが、目を凝らすと太陽を中心に微かな反薄明光線が伸びています。このあと日没後にはっきり見えるかと思い待機しましたが、上空に薄雲が広がってしまいました。
積乱雲の発達による雷雨などは全国的にあったようです。雷雲は一般に局所的で、時間帯によって位置がどんどんずれます。右画像は17:00の気象衛星画像(画像元:NICTサイエンスクラウド)。この時間には九州、紀伊半島、甲信越から関東の山沿い、そして北海道にモコモコした雲が見えますね。
こうした不安定な大気がもたらした被害のニュースがたくさん流れました。一時的な大雨の後、数十分もせずにカラッと晴れるような不安定さ。目についた特筆レベルの状況をメモすると、
- 13時半ごろ、沖縄本島で「ろうと雲」(竜巻の元)の発生、16時頃は大東島付近で突風。それぞれ竜巻注意報。
- 17時前後、九州にも竜巻注意報。
- 18時頃までの1時間に、北海道小平町東部付近や苫前町付近で約100mmの記録的短時間大雨。
- 夕方から夜にかけ、北海道、秋田、群馬、長野で1時間・3時間降水量の日最大値が観測史上1位となった地点があった。
…などがありました。きっと掘り起こせばまだまだあるでしょう。
気象庁サイトの降雨レーダー画像を見ていると、みるみるうちに降雨範囲が変わるのが分かります。どの程度の範囲に降雨があったか知りたかったので、11時から19時まで30分おきの降雨レーダー画像を使い、「量にかかわらず降雨があったかどうかの地図」を作ってみました(左画像)。白っぽいところが降雨地域で、白の明るさが概ね降雨時間の長さを示しています。(※いわゆる積算雨量地図とは違うので注意。)
本州の中央がまっ白なので、長い時間雨が続いていたようですね。ちょうど渇水が心配な利根川上流8ダム地域に雨が降ったのは嬉しいですが、土砂災害などの被害が出ないか心配です。利根川ダム統合管理事務所発表、今日15時現在の利根川上流8ダムの貯水状況は記事末表の通りです。
発達中の台風4号ですが、夕方には台湾南部と香港の真ん中あたりに中心がありました。右画像は18:00の衛星画像。画像右上に九州の一部や南西諸島があり、赤点線は台風中心の直径2000km円。少し台風の目らしき部分が分かります。(追記:8月2日0:00に、中心付近の最大風速が35m/s=65ノットの強い台風となりました。)この影響か、1日朝に台湾で竜巻が発生したとのニュースも聞きました。日本周辺、大混乱です。
【利根川上流8ダムの貯水状況・2016年8月1日15:00現在】
場所 | 貯水量(万m³) | 貯水率(%) | 0:00からの変化 |
---|---|---|---|
下久保ダム | 3493.4 | 41.10 | 0.34%↓ |
矢木沢ダム | 4112.3 | 35.60 | 0.38%↑ |
奈良俣ダム | 4565.9 | 63.42 | 0.13%↑ |
草木ダム | 2939.4 | 96.37 | 0.70%↑ |
藤原ダム | 1316.4 | 89.61 | 7.44%↓ |
渡良瀬貯水池 | 1232.5 | 100.00 | 0.00%→ |
相俣ダム | 1001.6 | 94.49 | 0.00%→ |
薗原ダム | 363.6 | 100.00 | 0.00%→ |
8ダム合計 | 19025.1 | 55.39 (対平年値:62.79%) | 0.17%↓ |