尾が変化しているカタリナ彗星2015/12/05

20151205カタリナ彗星(C/2013US10)
今朝方も良く晴れました。月と木星の位置関係が前夜と変わっていて面白いですね。

明け方のカタリナ彗星はいつもと違う望遠鏡とカメラの組み合わせで撮影してみたのですが、どうにもうまくいきません。慣れないことをするものではないですね。元はカラー画像ですが、やむなく白黒反転してどうにか尾がうっすら見える様にしました。他の観測家の方々の画像をいくつか拝見すると、今朝は尾の濃いところが千切れる様に流れていって、イオンテイルが大きく変化したようでした。左画像でも右上にその部分が淡く写っています。(12/7追記:再処理して記事にしました。こちらからどうぞ。

そのほか、ふたつの周期彗星を撮影しました。「W・W」(ダブル・Wild)彗星ですね。81Pのほうはオリオンが振り上げた棍棒の先にいて、およそ16等星です。116Pはおとめ座のスピカ近くで、およそ15等星です。116Pはゆっくり高度を増しているので、だいぶ写しやすくなりましたが、低空で減光するハンデがあります。短いけれどしっかりした尾が見えていますね。(画像は全て上方向が天の北、彗星の移動に合わせた合成処理。)

  • 20151205ヴィルト第2彗星(81P)

    ヴィルト第2彗星(81P)
  • 20151205ヴィルト第4彗星(116P)

    ヴィルト第4彗星(116P)

参考:
カタリナ彗星(C/2013US10)に関係する記事(ブログ内)

今日の太陽2015/12/05

20151205太陽
朝からとても良く晴れています。西に傾いた青空の中の月が綺麗に見えます。7日と8日は月と金星が近いので、月と一緒に昼間の金星も探しやすいでしょう。

左は10:30少し前の太陽。とても静穏です。

20151205太陽リム
左側に活動領域がふたつ明るく見えていますね。黒点も伴っているようです。また左右リムにはやや活発なプロミネンスが見えました。今後どんな変化が楽しめるでしょうか。

国際宇宙ステーションが上空通過2015/12/05

20151205国際宇宙ステーション
7月から5ヶ月にわたり国際宇宙ステーション(ISS)に滞在してきた油井亀美也宇宙飛行士は、来週半ばに地球へ帰還する予定です。

帰還までにもう一度ISSパスを見ておきたいと思っていたのですが、低空ばかりでなかなかチャンスがありませんでした。でも本日ついにほぼ天頂を通過、しかも雲ひとつ無い空に恵まれました。関東一円で素晴らしい光景が見られたことでしょう。

肉眼で超低空のISSが見えたのは17:39。夕暮れは終わりつつあり、薄暮が街明かりにバトンタッチする時間です。空の広いところに出かける余裕が無かったので、ベランダから眺めました。

20151205国際宇宙ステーション
実際のISSの軌跡は「動く輝星」のように見えますが、写真に撮るとこの様に線状なります。(10秒露出・5秒休みの繰り返しです。)真ん中の縦線がISSで、他の線は飛行機です。途中カード書き込みが間に合わなかったのか一枚抜けてしまいましたが、たくさんの星のなかをゆったり通過する様子をカメラに収めることができました。宇宙飛行士さん達の安全と充実した時間を願っています。

参考:
国際宇宙ステーションと一緒に迎えた夜明け(2015/07/31・油井さんの滞在開始から約1週間後の飛行)

カタリナ彗星が金星に近づいてます2015/12/06

20151206金星とカタリナ彗星(C/2013US10)
昨夜は宵のうち晴れましたが、20時を過ぎた頃から目に見える程度の薄雲がかかり始め、夜半過ぎには星や月が見えない雲量となりました。明け方のカタリナ彗星(C/2013US10)も半ば諦めていましたが、4時過ぎになって所々に星空がのぞく様になったので、急きょ機材を準備しました。

東で天を照らす金星の近くにカタリナ彗星がいましたので、一緒に撮れないかやってみました。なかなか雲間が来なくて困りましたが、うまくタイミングを合わせて左画像を撮影しました。 右側の輝星が金星、左側にはエメラルドグリーンのコマや淡い尾を持つカタリナ彗星がいますね。両天体の離角はおよそ5.3°、全体は180mm+APS-Cの画角です。

20151206カタリナ彗星(C/2013US10)
こうやって並べて撮ると、いかにこの彗星が小規模か分かります。

カタリナ彗星のアップにも挑戦しましたが雲が取れず、右画像の露出は10分未満です。イオンの尾は一応画像右上端まで伸びていますが、数日前よりも弱い感じがします。太陽から離れつつあるので、活動も縮小に向かっているのでしょうか?もっと波乱があったほうが嬉しいんですけど(笑)

20151206月と火星
上空には細くなった月と火星が寄り添っていました。左画像で月の左上輝星が火星、また月の右上輝星はおとめ座γ星(ポリマ)です。(※記事中の画像は全て上方向が概ね天の北方向になっています。)月と火星の離角は2.5°ほどで、かなり近く感じました。明後日8日の朝は月と金星が2°内に近づき、近くにいるカタリナ彗星と共に豪華な眺めとなるでしょう。まだ眼視でカタリナ彗星を見たことがない方は月や金星を頼りに探せる絶好のチャンスです。晴れると良いですね。(11月15日の記事中に接近時の星図があります。

参考:
カタリナ彗星(C/2013US10)に関係する記事(ブログ内)