真夜中の月とダブル・フンボルト ― 2015/12/27
日付が27日に変わって40分ほど経ったころの月です。太陽黄経差は195.00°、撮影高度は71.5°ほど。これ以上の高度で撮れないくらい高い位置でしたので、像も抜群に安定しています。
ところで、先日行われた天文同好会の席で、星仲間のdocanさんから「月縁近くのフンボルト海とフンボルト・クレーターは同時に見えるだろうか」という命題(?)が出されていました。「フンボルト」の名を持つふたつの月面地形があるのですが、どちらも月の縁にあって個別でもなかなか見えません。ましてや、同時に見たり撮影できるタイミングはあるのだろうか、ということです。
結論から言うと「ある」のですが、条件はかなりシビア。今夜の月で確認すると右下画像のように両方写っていますが、少しタイミングが遅かったのでフンボルト・クレーターのほうは全体が影になってしまいました。辛うじてセントラルピーク(多くのクレーターの中央に見られる突起状地形)に光が当たっていたため、クレーターの存在が確認できます。
両方の地形をうまく写すには、「秤動で月の右上が手前(観測者側)を向くタイミング→中央緯度経度の両方がプラス値」かつ「各地形がちょうど明暗境界にあってデコボコが見やすい位相」となる日を探さなくてはなりません。月面Xよりずっと難しいですね。(※上弦側でも見ることは可能です。例えば2015/2/21記事の月画像に両方写っています。)
今夜は比較的その条件に近かったので、撮影が4時間ほど前だったらどちらも見えていたことでしょう。実に惜しいことをしました…折を見て「ダブル・フンボルト」に再挑戦したいと思います。
参考:
アーカイブ:月の形(黄経差180度以上、216度未満)
ところで、先日行われた天文同好会の席で、星仲間のdocanさんから「月縁近くのフンボルト海とフンボルト・クレーターは同時に見えるだろうか」という命題(?)が出されていました。「フンボルト」の名を持つふたつの月面地形があるのですが、どちらも月の縁にあって個別でもなかなか見えません。ましてや、同時に見たり撮影できるタイミングはあるのだろうか、ということです。
結論から言うと「ある」のですが、条件はかなりシビア。今夜の月で確認すると右下画像のように両方写っていますが、少しタイミングが遅かったのでフンボルト・クレーターのほうは全体が影になってしまいました。辛うじてセントラルピーク(多くのクレーターの中央に見られる突起状地形)に光が当たっていたため、クレーターの存在が確認できます。
両方の地形をうまく写すには、「秤動で月の右上が手前(観測者側)を向くタイミング→中央緯度経度の両方がプラス値」かつ「各地形がちょうど明暗境界にあってデコボコが見やすい位相」となる日を探さなくてはなりません。月面Xよりずっと難しいですね。(※上弦側でも見ることは可能です。例えば2015/2/21記事の月画像に両方写っています。)
今夜は比較的その条件に近かったので、撮影が4時間ほど前だったらどちらも見えていたことでしょう。実に惜しいことをしました…折を見て「ダブル・フンボルト」に再挑戦したいと思います。
参考:
アーカイブ:月の形(黄経差180度以上、216度未満)
月明かりの中アルクトゥルスに近づくカタリナ彗星 ― 2015/12/27
明け方は素晴らしく透明度の良い空。西空には煌々と月が輝いています。月明かりがあるのでさすがにカタリナ彗星(C/2013US10)の尾を撮るのは難しそうですから、元旦にかけて接近するうしかい座の一等星アルクトゥルスとツーショットを撮ってみました。
左画像は上方向を天頂向きにして撮ったもので、画角はおよそ15°×10°。両星の離角は約8.5°です。 これを白黒反転させたのが右画像。さすがに長い尾は見えませんが、右下向きにダストテイル、上向きにイオンテイルが短く出ていますね。満月近くの月明かりなのにすばらしい…。
クリスマス前から火星がおとめ座のスピカに接近していましたが(→12/22記事、12/23記事)、24日の最接近を過ぎて少しずつ離れてきました(右)。この画角は上のカタリナ彗星画像と同じで、色が分かるようにディフューズフィルターを付けています。お正月あたりまではこの写野内に留まっているでしょう。
1月4日明け方にはスピカから離れつつある火星のすぐ側に月がやってきて、とても素晴らしい眺めが期待できます。しぶんぎ座流星群を見るついでに月と火星の接近も楽しんでくださいね。
(おまけ)
日の出が迫ってきたころ、西空に美しいビーナスベルトがかかり、その中に沈もうとする月が一緒に見えました。地平近くが急に暗青色になっているところは地球影です。
参考:
カタリナ彗星(C/2013US10)に関係する記事(ブログ内)
左画像は上方向を天頂向きにして撮ったもので、画角はおよそ15°×10°。両星の離角は約8.5°です。 これを白黒反転させたのが右画像。さすがに長い尾は見えませんが、右下向きにダストテイル、上向きにイオンテイルが短く出ていますね。満月近くの月明かりなのにすばらしい…。
クリスマス前から火星がおとめ座のスピカに接近していましたが(→12/22記事、12/23記事)、24日の最接近を過ぎて少しずつ離れてきました(右)。この画角は上のカタリナ彗星画像と同じで、色が分かるようにディフューズフィルターを付けています。お正月あたりまではこの写野内に留まっているでしょう。
1月4日明け方にはスピカから離れつつある火星のすぐ側に月がやってきて、とても素晴らしい眺めが期待できます。しぶんぎ座流星群を見るついでに月と火星の接近も楽しんでくださいね。
(おまけ)
日の出が迫ってきたころ、西空に美しいビーナスベルトがかかり、その中に沈もうとする月が一緒に見えました。地平近くが急に暗青色になっているところは地球影です。
参考:
カタリナ彗星(C/2013US10)に関係する記事(ブログ内)