安定した空でレモン彗星と木星を観る2023/11/09

20231108レモン彗星(C/2023 H2)
昨夜は前夜ほど雲が湧かなかったので、焦ることなくレモン彗星(C/2023 H2)の観察・撮影に取り組むことができました。

より高度を上げているレモン彗星はどんどん写しやすい位置に移動しており、遅い時間まで待たなくても宵に暗くなるころすぐ観察可能です。周囲には分かりやすい星座がたくさんあるので導入もラクチン。雲がなかったぶんたっぷり露出がかけられたので、北東に伸びる尾が前夜より写りました。もう少し尾が長いと楽しいのですが…。

ただ、週末の関東は崩れそうなので、今夜を逃すと週明けまで観察できない可能性大です。いちばん大きく明るくなるだろう時期に見えないのは惜しいですが、これも自然の気まぐれですからね。辛抱強く観察の機会を待つとしましょう。

20231108夜・木星
彗星観察後しばらく待つと木星が良い高さになったので、これも見てみました。ちょうど大赤斑も正面です。前夜とは打って変わってとても良いシーイング。GRSに続く渦模様が三つ見えました。よく見るともうひとつ付いてます。なんだか「人間(動物)の進化の図」みたい。NEBの乱れ具合もすごいですね。細かく見えると興味倍増です。

GRS内の筋模様(今回は十字に見える)も写ってくれました。大きな望遠鏡で撮影している方の画像で見かけることはあったのですが、自分の小さな望遠鏡でこの時期に写ったのは初めてかも。(※去年は「のの字」に見えた時期がありました。)画像復元処理の力が大きいとは思いますが、大赤斑内の筋模様が分かると言うことは、最終画像でおよそ0.1秒角を分解していることになり、口径のみで決まる回折限界(解像限界)の数分の一くらいに達していることになります。(※シーイングが0.1秒角ということではありません。)

明け方の月も観たかったけれど、曇ってしまいました。もともと夜から曇る予報だったので、彗星と木星を見ることができただけでも儲け物。雲越しに見えた月と金星の接近がとてもきれいでした。

今日の太陽2023/11/09

20231109太陽
昨夜は晴れのち曇り。今日朝も雲が残りましたが、徐々に晴れました。

20231109太陽リム
左は10:20ごろの太陽。大部分の活動領域は右半球に移動しました。中央右上、小さいけれどとても明るく見えるのは13483です。右上リムのダークフィラメントは光球外に出て、ボアのようなプロミネンスを見せています。右下リムも同様ですね。それにしても左側が寂しいなあ。