月面のケモ耳にやっと出会えた2023/11/30

20231130ラングレヌス、フェンデリヌス、ペタヴィウス
昨夕から今朝にかけて薄雲+ときどき厚雲が空を流れていました。どうしても見たかった月面イベントがあったので仮眠後にずっと起きていましたが、結局夜明け近くまで待つことになりました。ただそのおかげで、なかなか見ることができない月暈、明るい幻月、幻月環、外接ハロがまとまって見えました。とっさに使える撮影機材がなかったため記録できなかったのは残念でしたが、貴重な体験でした。

で、何を見たかったかと言うと、ケモ耳です。(詳しくは「月世界への招待」サイト・東田さんの2023年10月3日・撮影日記をどうぞ。)ラングレヌスに夕方が訪れるとき、セントラルピーク(中央丘)の影がまるでネコなど動物の耳に見えるというのです。今朝方がその条件日で、詳しい経過と条件を見極めたかったのですが…。

空が白む頃まで雲がかかっていて、結局撮影できたのは左画像のみ。しかも1-2/10という最悪のシーイングと度々雲の通過がある中での撮影でした。スタックが一部破綻していますが、ご容赦を。

20231130ラングレヌスのケモ耳
悪条件下でもなんとかネコ耳を確認できて、眠い中がんばった甲斐がありました。この中央丘の影はラングレヌスにおける太陽高度が6°から5°辺りではネコ、5°から4°あたりではキツネ(orイヌ)、4°以下ではウサギっぽくなるようです。

冒頭画像からラングレヌス付近のみトリミングしたのが右画像。北を左にしています。撮影時のラングレヌスにおける太陽高度は約4.080°でしたから、ネコ耳からキツネ耳に変わってる途中でしょうか。光っている中央丘も動物の口→「ω」と鼻のような形なので、これも含めて完璧に動物の顔。かいけつゾロリっぽい?(ゾロリはキツネでしたね。)この後ウサ耳まで観たかったけれど、朝が来て月が建物に隠れてしまいました。

20231003神酒の海周辺
クレーターの中央丘といっても様々ありますね。左画像は約2ヶ月前・10月3日の神酒の海付近。ピークが見当たらないフラカストリウス、ひとつだけあるネアンデル、東西ふたつに割れているピッコロミニ、三つ(四つ?)に割れているテオフィルス、そして環状に見えるグーテンベルク。こうしたそれぞれの特徴ある山からどんな影が伸びるのか想像するだけで楽しくなりませんか?

ピッコロミニは南北に割れてないため一見するとケモ耳になりそうもありませんが、良く見れば東側の山に弱いピークが二つありますから、ひょっとしたらネコに見えちゃう瞬間があるかも知れません。

クレーターはたくさんありますし、クレーター以外にも面白い山がいっぱい。ぜひ楽しい形の影を探してみてください。なおラングレヌスのケモ耳チャンスは12月29日(月の出から)、2024年2月26日(21時ごろから)、4月25日(22時ごろから)、6月23日(23時ごろから)…、それぞれ4、5時間は楽しめると思われます。

20231103テオフィルス、フラカストリウス、アルタイ断崖
【余談】
そう言えば以前にテオフィルスの「月面グー」をシミュレートしたとき(→2019年12月7日記事参照)、下弦側の影がケモ耳に似てると感じたことがありました。

左画像は11月3日撮影のアルタイ断崖付近(左が北)。中央にカタリナ、左寄りにキリルスやテオフィルス、右寄りにフラカストリウスやピッコロミニが写ってます。テオフィルスの中央丘から影が生えてますが、耳の高さが揃ってないところはラングレヌスに一歩譲りますね。それよりもフラカストリウス内部に落ちている影のほうがよほどネコが隠れているみたい。なぜ水平的に見えるクレーター壁から曲線状の影が生まれるのか不思議…。こうした「隠れ動物」のような影絵が至るところにありそうな気がします。


今日の太陽2023/11/30

20231130太陽
2023年の11月最終日。明け方まで雲がありましたが、朝からは良く晴れています。空気が乾燥してますね。雨が降らない日は夜の結露が無くなりました。

20231130太陽リム
左は10:10ごろの太陽。左リム近くの黒点を伴う活動領域は、北から順に13507、13508、13505と採番。左半球に補充され始め、ひとまず安心です。勢いを感じるプロミネンスが各方向に出ていて素晴らしい。この勢いで12月も楽しませて欲しいものです。