良い月夜なのにシーイング最悪…2023/11/25

20231124コペルニクス、カルパチア山脈、アリスタルコス
昨夜は強風と雲の通過があり、月を拝めたのは予定を大幅に過ぎた南中前ごろでした。シーイングは2/10程度と酷く、モニター画面で酔ってしまうほど揺らめいていました。こんな日は撮影や観察をあきらめるのが吉かも知れません。でもついつい…。欠け際を中心に10シーンほど撮った中から3枚掲載。画質はどう処理しても全くシャキッとせず、ソフトウェアがスタックエラーを頻発する始末。無難にまとめてあります。

左は欠け際に姿を現したアリスタルコスを含め、コペルニクスまで構図に入れてみました。プリンツ谷などうまく取り出せず、ランバートRも全く見えません。コペルニクスやエラトステネスなど、クレーター内外にまたがってアルベドが変化していることが分かるでしょう。コペルニクスなどの周囲には「dark halo crater(略称DHC)」と呼ばれる、周囲と内部が暗くなったクレーターが幾つもあります。満月に近くなると特に目立ち、ある意味満月期の楽しみでもあるでしょう。コペルニクスDHCグループの中でもゲイ・リュサックNは小さいながら一段と暗いように感じます。どうしてそんなに闇落ちしたのか…過去にどんなトラウマが?

20231124虹の入り江、プラトー、J・ハーシェル
右画像は虹の入り江から北極域にかけてのエリア。すっかり明るくなった入り江やプラトーを見ると、たった数日しか経っていないとは思えないほど劇的な変化です。J・ハーシェルの内部に光が当たり、複雑な起伏が読み取れます。ここから北上しつつフィロラオス周辺までの凸凹はいつ見ても同じ光景がなく、見飽きません。

奥のピタゴラスやパスカルあたりはまだ夜です。向こう二日内に夜明けを迎えますが、残念ながら秤動が不利なのでよく見えないと思われます。そもそも、天気が崩れるとの予報が…。

20231124湿りの海、雲の海、病の沼
左画像は湿りの海付近。ヒッパルス谷やメルセニウス谷、リービヒ断崖などが見えてきました。キースπなどのドームは光が当たり過ぎてほとんど分かりません。ひと晩前は暗かったハインツェル内部も光で満ちてきました。

もう少しシーイングが落ち着いていたら面白い地物が盛りだくさんなのでしたが、もったいない晴れ間でした。せっかく風が止んでくれたのに…。またの機会を待つとしましょう。

今日の太陽2023/11/25

20231125太陽
朝から晴れていますが、雲量2-4程度の斑な雲が行き交っています。最高気温が23度に達した前日より大幅に気温が低く、14度にも届いてません。少し風があるため体感的に10度以下。風邪引きそうです。

20231125太陽リム
左は10:10ごろの太陽。観測時現在、活動領域は15ヶ所まで増えました。一週間前はほとんど無くなりかけてたことを考えると驚異の回復力。肉眼級の黒点はありませんが、中央上の黒点群たち(六ヶ所の活動領域)が見応えあります。いっぽうプロミネンスはやや縮小気味のようです。