2023年で日没が最も早いシーズンです2023/12/01

2023年日没最早日マップ
だいぶ日が短くなったと思っていたら、いつの間にか12月になっていました。暑い暑いといっていたのが昨日のことのようです。「春と秋が極端に短い」などと表現されるようになったけれど宇宙線地球号の運行は変わっていませんので、単純に暑さ寒さが極端化しているだけだと思われます。

今年も「日没が最も早いシーズン」がやってきています。今日12月初日は沖縄本島付近が最早日。左地図に示す通り、一週間後には東北地方北部まで北上します。日の出がもっとも遅くなるのは来年始めですから、昼間時間は冬至まで短くなり続けます。

観測史上最高気温と言われている2023年ですが、日本では台風不足、雨不足も心配ですね。下図は気象庁からの引用で、2018年から今年まで6年間における「11月30日までの90日間降水量合計の平年比」マップ。(※2021年から平年値が現行のものに変わっているので注意。)各年号キャプション後ろの括弧書き数字は9月から11月の間に発生した台風数(接近/上陸数ではありません)。去年や一昨年も全国的な少雨傾向が話題でしたが、今年は特に関西を中心として極端に雨が少ないことが分かるでしょう。ダム貯水量の枯渇、琵琶湖の水位低下や全層循環不足など、秋の始め頃から度々耳にしました。暖冬傾向だから雪にも期待できません。来年の梅雨まではずっと悩みの種になりそうですね。

  • 2018年11月30日までの90日間降水量平年比

    A.2018年(8)
  • 2019年11月30日までの90日間降水量平年比

    B.2019年(16)


  • 2020年11月30日までの90日間降水量平年比

    C.2020年(12)
  • 2021年11月30日までの90日間降水量平年比

    D.2021年(9)


  • 2022年11月30日までの90日間降水量平年比

    E.2022年(13)
  • 2023年11月30日までの90日間降水量平年比

    F.2023年(4)


参考:
日出没・暦関連の記事(ブログ内)
ユーティリティ「太陽と月の時刻表/夜空の時刻表」

今日の太陽2023/12/01

20231201太陽
12月になりました。昨夜はずっと曇りでも明け方は0度近くまで冷えました。朝からは少し雲が残ったものの晴れています。今夕から夜半前にかけて天気の小さな崩れが予報されていますが、15時現在は晴れ間が広がっています。

20231201太陽リム
左は10:10過ぎの太陽。活動領域は計15ヶ所。大きく目立つ黒点はありません。右上と左下のプロミネンスが目立ちますね。ダークフィラメントが右リムに近づいていますから、そのまま消えなければしばらくはプロミネンスが続きそうです。

思わぬ好シーイングで月面観察2023/12/02

20231202アルタイ断崖、ピッコロミニ、ジャンセン
昨夕は晴れていたので、月がある程度高くなるまで仮眠をとり、夜半ごろに望遠鏡を向けました。早速欠け際に目をやると、ジャンセンが素晴らしい陰影を見せていました。これは心躍ります。格好の良い光景を見ることができただけでも満足度100%。冬にしてはシーイングが良く、3-4/10あたりでしょうか。

左画像はアルタイ断崖からジャンセンにかけてフレーミングした一枚。ジャンセンは何度見ても複雑過ぎて飽きません。どうしてこんなクレーターになったのか不思議ですね。ジャンセン内、ファブリシウスからのびるジャンセン谷、そしてその北に短いながらもアルタイ断崖に引けを取らないゴツゴツした崖。ひとつのクレーター内に多様な世界が詰まっています。

カタリナからピッコロミニにかけてアルタイ断崖を見て行くと、なかほどに崖が途切れるところがあり、すぐ東側にDの字を横向きにしたようなクレーターが見えます。「ラリエー(ラリュー)のダム」とも呼ばれる、半分ダムにせき止められたような形。光条付きなので明るく目立ちます。正式にはポリビュオスKですね。ジャンセンの南、ローゼンベルガーでは中央丘頂上が1点輝き、隣のヴラークでは点線状に飛び飛びで光っていたのが印象的でした。

20231202静かの海
右画像、静かの海も良い月相でした。コーシー断崖&コーシー谷、グーテンベルク谷などが美しく見え、明暗境界ぎりぎりには2本のゴクレニウス谷も半分ほど見えました。ガードナーのメガドームが浮き立ち、ラモントもうっすら姿を現していますね。心の目でアラゴーの二つのドームも見えるでしょうか。

欠け際をひと通り堪能したあと、南極へ。下A画像を撮影した頃の大気が一番安定していました。11月29日記事に書いた南極の山々はまだ確認できますね。クラヴィウス、マギヌス、ティコあたりには少し影が出始めました。リムに沿って見て行くと、ドリガルスキーやバイイが辿れます。シラー・ズッキウス・ベイスン辺りはアルベドが低いのですね。暗い中に走る光条は誰のものでしょうか?

更に見てゆくと、南西リムに一際明るい山々を見つけました(下B画像・矢印のところ)。画像処理上の強調ではなく、実際にビックリするくらい輝いていました。オリエンタレ盆地近くですが、具体的にどこだろうと調べてみました。下C画像はオリエンタレ盆地が良く見えた2021年11月撮影画像。対応させると、ちょうど春の湖と東の海に挟まれた山地のようです。三重になったリング状地形のうち一番内側(インナールック山脈)の一部がアルベドの高い表層であるようです。リムを見ていると時々こうした明るい山が見えるのですが、地球から辿りづらいエリアなので特定に苦労しますね。なおしばらく秤動が悪いため、東の海は2026年春ごろまではっきり見えることは無いでしょう。

冬ですから全く期待してなかったので、あれこれ月面観察できて思わぬ収穫でした。

  • 20231202月面南部

    A.月面南部
  • 20231202月面南西部

    B.月面南西部
  • 20211127月面南西部

    C.2021年11月27日・南西部


今日の太陽2023/12/02

20231202太陽
昨夜は快星。今日朝からも良い天気です。最低気温が一桁前半なので、日中の気温の上昇は遅いですね。

20231202太陽リム
左は10:10過ぎの太陽。右リム近くにある活動領域がどんどん裏に回っているため、活動領域総数はみるみる減っています。左リムからの追加がなかなかありませんね。右上のプロミネンスが斜めに立っていてすごい。蘭ねーちゃんの髪形みたいです。右半球もがんばってほしい。