美しい月面Nびより2023/11/23

20231122コペルニクス、エラトステネス、カルパチア山脈
昨夕は透明度が悪く、暗い星があまり見えませんでした。ところが望遠鏡を月に向けると思いのほかシーイングが良くてびっくり。大きな揺らぎも多いのですが、細かい震えが少ないだけでも見え味は格段に良くなります。

ちょうど月面N&I地形が見ごろだったので、クレーターの帝王コペルニクス様を添えて撮影(左画像)。月面Iから伸びるゲイ・リュサック谷が黒い筋になってます。月面「ま」は影が多くてピンときませんね。コペルニクス周囲の極小クレーターや小さな山、リッジも豊富に写りました。画像右辺やや下にひと晩前にも楽しんだ「グルイテュイゼン男爵の月面都市」が確認できます。

調子に乗ってあちこち撮った中から下に二枚掲載。下A画像の雨の海では、ランバート北側からルヴェリエ南東辺りにかけて溶岩流の痕跡が写りました。冬の気流でぼけずに写ったのですから本当に良い空だったのですね。右上角のクレーターはひと晩前にRay現象を起こしたプラトー。もうこんなに明るいです。東側の影が月マークの横顔みたいに見えますね。

下B画像はプラトー、アルキメデス、アペニン山脈、エラトステネスあたりを豪華に詰め込んだもの。山脈に沿うたくさんの谷がとてもはっきり見えました。カッシニのクレーター壁・北端近くに極小クレーターがあるんですが、私の機材や撮影環境ではなかなかはっきり写りません。アルプス谷に挟まれた細い谷も見えます。おなかいっぱいになるほど満足感を得られました。

  • 20231122雨の海

    A.雨の海付近
  • 20231122アルキメデス、アルプス谷、アペニン山脈

    B.アペニン山脈付近


山形の板垣公一さんが突発天体を発見2023/11/23

20231122_TCP J04251906+2841462
11月21日19:47ごろ、山形県の板垣公一さんがおうし座に12.9等の突発天体を発見したとのこと。

また前後して、同日19:53ごろ香川県の藤川繁久さんがこぎつね座に12.9等の突発天体を発見、これは三重県の中村祐二さんからも19:48に独立して発見報告があったようですが、北海道の上田清二さんが17:56ごろ撮影した該当位置には写っておらず、翌日以降の観測でも見つかっていないようです。

昨夕に月を観察しながら、同時進行でこのふたつの突発天体を撮影しました。天気が下り坂で夜半には雨も降りだす予報だったためサクサクと準備・撮影をこなしました。左上画像は板垣さんのほうの天体。特に青っぽさ、赤っぽさは感じなかったのですが、どんな種類の天体でしょうか。分光が待たれます。

20231122_TCP J20490448+2907094
右画像は藤川さんのほうの位置。丸点線円内の中心付近が該当位置ですが、明るい天体は見当たりません(最微等級17.6等)。お二方の観測位置は大きく違うので、カメラノイズや近距離の人工衛星などではなく、何らかの遠くの天体が確かに光っていたとは思うのですが、ごく短時間の現象(?)だったようです。このまま迷宮入りでしょうか?

ひと通り撮影が終わろうとしていた頃から雲が増え始め、片づけている最中にすっかり皆曇に。その数時間後には雨が降ってきました。間一髪です。