気象衛星ひまわりが交代します ― 2022/12/03
私たち日本の住人のみならず、広くアジア全域、あるいは世界的な気象動向の観測に一役買ってもらっている気象衛星ひまわりが交代することになりました。現在使われている8号がバックアップに回り、既に打ち上げられバックアップ体制をとっていた9号が次の主役になります。これにより観測は途切れることなく続くことになるでしょう。近年はフンガ・ハアパイ火山噴火に伴うラム波の検出に使われたり、ベテルギウスの変光観測に利用されたりと、お天気以外の分野でも大活躍でした。当ブログでも「日食に伴う地球に投影された月影」を観るのに役立ってもらってます。
今年春にひまわり8号・9号を望遠鏡で拡大撮影したことがありました(→2022年4月5日記事参照)。拡大と言っても国際宇宙ステーションのように形が見える訳ではなく、点像に写る衛星の動きを追っただけです。4月撮影の頃はまだ交代日程が分からなかったのですが、一ヶ月あまり前の11月11日に気象庁から日程が発表され、「令和4年12月13日(火)午後2時」に切り替えられると分かりました。10日後ですね。
報道以降、これまでがんばってきたひまわり8号とこれからお世話になる9号へエールを送るつもりで記念撮影の機会を狙っていたのですが、撮りたい時間になかなか晴れない不運が続いてしまいました。昨夕は天候不安定ながらも宵から月を観る準備をしていたのですが、その前のわずかな時間にやっとひまわり達を撮影することができました(左上画像)。前回より時間を切り詰めたためか、動きは分かりません。夕方から強めの風が続いてしまい、望遠鏡の振動+大気のゆらぎが恒星線像の震えになって写りました。上弦を過ぎた月が衛星の東北東10°のところに輝いていたため、画像左やや上から中央に向かって迷光が差し込んでいます。
ひまわり8号と9号は撮影時点で約9′角ほどの離角で、宇宙のスケールでは両衛星が見る地球の差はほぼ無いと言っていいでしょう。カメラの感度をやや高くすれば5秒程度でも存在がはっきり分かります。個人的には少し離して配置し、雲や水蒸気を立体観測して欲しいなんて思います。いずれそんな時代が来るかも知れませんね。
このあと対象を月に切り替え、まずは全体撮影。右は19時過ぎの撮影で、太陽黄経差は約112.82°、撮影高度は約51.49°、月齢8.46。三日月のころは赤緯が低かったですが、ようやく天の赤道付近までやってきました。(ということは気象衛星ひまわりの撮像範囲に入る可能性があります。)
全体撮影のあと拡大撮影もしたかったのですが、雲がやって来てしまい、あっさり終了。実は2022年4月11日記事で紹介したRay現象のうち、ピタトゥス・クレーターからヘシオドス・クレーターへ光線が差し込む現象が約2時間後に見えたはずでした。右画像では直線壁の下にピタトゥスが見えていますが、お隣のヘシオドスにはまだ光が当たっていません。絶好の機会だったのに残念…。次回2023年4月29日19時ごろに期待しましょう。
しばらく曇り空が続いた後、夜半過ぎにまた晴れたので地球最接近後の火星を…と思ったら、撮影を始めた途端にまた雲。とにかく安定しない天気に悩まされています。
今年春にひまわり8号・9号を望遠鏡で拡大撮影したことがありました(→2022年4月5日記事参照)。拡大と言っても国際宇宙ステーションのように形が見える訳ではなく、点像に写る衛星の動きを追っただけです。4月撮影の頃はまだ交代日程が分からなかったのですが、一ヶ月あまり前の11月11日に気象庁から日程が発表され、「令和4年12月13日(火)午後2時」に切り替えられると分かりました。10日後ですね。
報道以降、これまでがんばってきたひまわり8号とこれからお世話になる9号へエールを送るつもりで記念撮影の機会を狙っていたのですが、撮りたい時間になかなか晴れない不運が続いてしまいました。昨夕は天候不安定ながらも宵から月を観る準備をしていたのですが、その前のわずかな時間にやっとひまわり達を撮影することができました(左上画像)。前回より時間を切り詰めたためか、動きは分かりません。夕方から強めの風が続いてしまい、望遠鏡の振動+大気のゆらぎが恒星線像の震えになって写りました。上弦を過ぎた月が衛星の東北東10°のところに輝いていたため、画像左やや上から中央に向かって迷光が差し込んでいます。
ひまわり8号と9号は撮影時点で約9′角ほどの離角で、宇宙のスケールでは両衛星が見る地球の差はほぼ無いと言っていいでしょう。カメラの感度をやや高くすれば5秒程度でも存在がはっきり分かります。個人的には少し離して配置し、雲や水蒸気を立体観測して欲しいなんて思います。いずれそんな時代が来るかも知れませんね。
このあと対象を月に切り替え、まずは全体撮影。右は19時過ぎの撮影で、太陽黄経差は約112.82°、撮影高度は約51.49°、月齢8.46。三日月のころは赤緯が低かったですが、ようやく天の赤道付近までやってきました。(ということは気象衛星ひまわりの撮像範囲に入る可能性があります。)
全体撮影のあと拡大撮影もしたかったのですが、雲がやって来てしまい、あっさり終了。実は2022年4月11日記事で紹介したRay現象のうち、ピタトゥス・クレーターからヘシオドス・クレーターへ光線が差し込む現象が約2時間後に見えたはずでした。右画像では直線壁の下にピタトゥスが見えていますが、お隣のヘシオドスにはまだ光が当たっていません。絶好の機会だったのに残念…。次回2023年4月29日19時ごろに期待しましょう。
しばらく曇り空が続いた後、夜半過ぎにまた晴れたので地球最接近後の火星を…と思ったら、撮影を始めた途端にまた雲。とにかく安定しない天気に悩まされています。
【追記】
アルテミス1・オリオン宇宙船が12月1日に撮影した画像(art001e001819)に月面が小さく写っています。宇宙船はいま月に対して天の南西側から地球側へ回り込んでいますから、スミス海などがよく見える方向にいる訳です。
小さく写っている月面を少し大きくして、主な海の位置を記してみました(左画像・右上インサート/右下方向が月の北極方向)。上に掲載した昨夕の月面と共通した地形がずいぶん増えましたね。地球・月・宇宙船の位置関係が頭に描けるでしょうか?三日後には月と地球の間に宇宙船がやって来ますから、見える月地形はほぼ同じになるでしょう。
アルテミス1・オリオン宇宙船が12月1日に撮影した画像(art001e001819)に月面が小さく写っています。宇宙船はいま月に対して天の南西側から地球側へ回り込んでいますから、スミス海などがよく見える方向にいる訳です。
小さく写っている月面を少し大きくして、主な海の位置を記してみました(左画像・右上インサート/右下方向が月の北極方向)。上に掲載した昨夕の月面と共通した地形がずいぶん増えましたね。地球・月・宇宙船の位置関係が頭に描けるでしょうか?三日後には月と地球の間に宇宙船がやって来ますから、見える月地形はほぼ同じになるでしょう。
今日の太陽とハロ現象 ― 2022/12/03
昨夜から今朝は曇り時々晴れ。今日朝からも雲が多いです。県内の一部では弱い雨も降っているようです。
左は11時過ぎの太陽。昼前にまとまった晴れ間がやってきたので、すかさず撮影しました。昨日よりはマシな像になったようです。左下の大きな黒点を伴う活動領域13153が目立ちますね。これは肉眼黒点級なので正面に来たときが楽しみ。日没直前の夕日を撮ったらノーフィルターでも普通に写るんじゃないでしょうか。赤道を挟んで北側の領域もかなり活発そうですが、今日昼時点でまだ採番されてませんね。どうしたことでしょう?右端からとても大きなプロミネンスが出ていました。2本見えますね。それから地味ですが、13153からも高く伸びるプロミネンスが吹き出しています。
太陽観察直前の空に淡いけれどしっかり分離した光環が出ていました(右画像)。雲の流れに沿って出たり消えたりしていました。
左は11時過ぎの太陽。昼前にまとまった晴れ間がやってきたので、すかさず撮影しました。昨日よりはマシな像になったようです。左下の大きな黒点を伴う活動領域13153が目立ちますね。これは肉眼黒点級なので正面に来たときが楽しみ。日没直前の夕日を撮ったらノーフィルターでも普通に写るんじゃないでしょうか。赤道を挟んで北側の領域もかなり活発そうですが、今日昼時点でまだ採番されてませんね。どうしたことでしょう?右端からとても大きなプロミネンスが出ていました。2本見えますね。それから地味ですが、13153からも高く伸びるプロミネンスが吹き出しています。
太陽観察直前の空に淡いけれどしっかり分離した光環が出ていました(右画像)。雲の流れに沿って出たり消えたりしていました。