今夕の月2022/10/31

20221031_07808月
今夕も望遠鏡調整がてら、月をぱちり。31日18時頃の撮影で、太陽黄経差は約78.08°、撮影高度は約25.60°、月齢は5.92、画像左右方向を水平にしてあり、弦傾斜は約66.43°。

明日11月1日宵は月面XやLOVEが見える予定ですが、少なくとも関東の多くは雨雲に覆われる予想。せっかくのチャンスなので惜しいですね。とりあえず…明日のことは明日考えましょう。

やはりシーイングは悪いものの、一晩前と比べるとほんの少し高度が上がっただけでも写りがよくなりますね。スミス海や縁の海付近が見やすくなりました。

20221031月(覆い焼き無し)
ところでこのような位相ではリム近くと明暗境界近くとで輝度差が大きすぎ、どちらかを見ようとすると他方を犠牲にしなくてはなりません。たとえば撮ったままの月面を暗い明暗境界に合わせて全体レベルを上げると、右画像のようにリム近くの地形が真っ白になって判別できなくなります。

フィルムを印画紙に焼いていた頃から月面写真に親しんでいた世代なら、自分の手や団扇などを使った「覆い焼き」を駆使して輝度差を克服した経験があるでしょう。自然な仕上げになるまで職人技を究めた方々も、もうかなり高齢になりました。

実は冒頭画像は覆い焼きから着想した画像処理をデジタルで行っています。暗い明暗境界も、明るいリム地形も、無理なく判別できるような輝度にしているのです。デジタル覆い焼きとでも申しましょうか。HDRとはまた違うアプローチですね。

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