盆地探索の最終日 ― 2021/11/30
長かった旅も終わりが近づきました。今夜は天気が荒れる予報ですし、11月も終わることですし、オリエンタレ盆地の“追っかけ”は今朝を持って一旦おしまい。オリエント急行終着駅ならぬ、オリエンタレ・ベイスン終着駅。
夜明けまで待っても月が南中しない月齢になったため高度が稼げず期待してなかったのですが、今朝は思わぬ良シーイングに恵まれました。上は4:40頃の撮影。昨日に倣い、オリエンタレ盆地を上向きにしました。少し左寄りになってしまったのはご愛嬌。昨日の画像と比べれば明らかに「東の海」が奥へ行ってしまったことが分かるでしょう。単純にリムに近くなっただけでなく、ちゃんと三次元パース的に縮まるのが面白いところ。
今までどんなに強調処理しても見えなかったグリマルディ・クレーター内に8個ほどある直径2km前後の小クレーターやクリューガー・クレーター中央の3kmクレーターがあっさり見えたことからもシーイングの良さが伺えます。(もちろんクレーターの影がはっきりしてきたという理由もあるでしょう。)また一連のオリエンタレ盆地画像は白黒ではなく全てカラー取得していますが、今日は今までで一番彩色ののりが良いようです。朝凪という言葉があるけれど、経験的に「地上の凪」と「上空の凪」はタイミングが違うと感じていました。夜明け前に上空の凪が先行し、薄明時に地上が静まるころ上空が乱れ始まることが多い気がするのです。(あくまで私の経験上。)
とは言え、乱れるときは乱れますから、一部にスタックソフトでも追従できないブレが蓄積されてしまうのも事実。今日の画像では左のシッカルド・クレーター上付近、昨日の画像ではグリマルディ・クレーター右付近がそうです。ともあれ、盆地探索を十分に楽しめた日々でした。
話変わって、25日に突発天体を発見したばかりの三重県の中村祐二さんが、今度は28日20時過ぎにおひつじ座に11.7等の新星と思われる天体を発見したそうで、昨晩に撮影してみました(右画像)。かなり明るいですね。どんな天体なのでしょう?
2021年の台風21号が発生 ― 2021/11/30
気象庁によりますと、昨日発生していた「台風になるかも知れない熱帯低気圧」が本日9:00に台風21号「ニヤトー/NYATOH」になったとのこと。直前の台風20号発生から36日後、20号消滅から31日と12時間後の発生になりました。
左は発生時刻9:00の気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。ナチュラルカラー処理のため、薄水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。赤点線円は台風中心の直径1000km円。台風中心が東経139°50′ですから、ちょうど東京湾の真南ですね。
進路予報によれば、台風は逆「つ」の字に進行しながら小笠原諸島近海を通過する見込みのようです。ただ予報円が大きいためまだはっきりしたことは分かりません。それから現在南西諸島から関東沿岸にかけて漂着が確認されている「福徳岡ノ場の軽石」への影響がかなり心配です。関係する皆様、どうかくれぐれも早急な対応をお願いします。
今日の太陽 ― 2021/11/30
最低気温0度台、連続三日目を迎えた今日は朝から晴れていますが、昨夜から透明度がやや落ちているようです。今夜から明日午前にかけて大雨になるようで、少し心配…。
左は10:20頃の太陽。新たな黒点群が2つできています。ひとつは一昨日から見えている左やや上のところで、これは活動領域12901と採番されました。もうひとつは北半球中央子午線近くで、小さな黒点が対になっているようです。
右下リムには南半球を渡りきったダークフィラメントが派手なプロミネンスとして姿を見せていました。よくぞここまでがんばった!その下側にも別のプロミネンスがありますね。これもペアのダークフィラメントとして随分前からありました。左サイドにも何箇所かプロミネンスがあります。11月最後の太陽、なかなかご立派。
左は10:20頃の太陽。新たな黒点群が2つできています。ひとつは一昨日から見えている左やや上のところで、これは活動領域12901と採番されました。もうひとつは北半球中央子午線近くで、小さな黒点が対になっているようです。
右下リムには南半球を渡りきったダークフィラメントが派手なプロミネンスとして姿を見せていました。よくぞここまでがんばった!その下側にも別のプロミネンスがありますね。これもペアのダークフィラメントとして随分前からありました。左サイドにも何箇所かプロミネンスがあります。11月最後の太陽、なかなかご立派。