オリエンタレ・ベイスンのクライマックス2021/11/28

20211128オリエンタレ盆地付近
オリエンタレ盆地の観察も今朝で連続三日目。今朝は前日と同程度の秤動ながら、月齢が増すために陰影がはっきりすることが期待できました。薄明中に観察と撮影を試みました。

明け方の最低気温はなんと0.4度。こちらも日々連続更新です。このおかげで透明度は抜群だったのにシーイングは前夜ほどではありませんでした。ただ、様々な撮影方法を試してみて効果の高い手法を確立できたのは大収穫でした。

左は今朝5:30ごろのオリエンタレ・ベイスン付近。前夜よりごく僅かに向こう側の地形を確認できます。連日こんなに盆地を観察したのは初めてで、つい空が明るくなるまで追いかけてしまいました。タイミングの良い快星夜に感謝です。

20211128_27378月
全体は右画像の通り。5時過ぎの撮影で、太陽黄経差は約273.78°、撮影高度は約62.6°、月齢22.95。27日21:30前に下弦を迎えたので、右画像はもう欠け際が凹み始めています。虹の入り江やコペルニクス・クレーターなどが斜陽になりました。

天文知人のひとり、中川昇さんが自身のブログで今朝の月出が水平月のように感じた旨の記述がありますが、正にこの月は明け方の水平月に向かって弦傾斜が減る方向に変化している最中です。今朝の月は沖縄本島より南で水平月になっており、今後新月に向かって細くなる月も北緯20°近辺では水平月。本州付近では11月頭を持って水平月シーズンは終わってしまったけれど「準水平月」はまだ続きます。急に切り替わるわけではありません。どれくらい傾斜が復旧したかを確かめると良いでしょう。

同様に、オリエンタレ盆地も明日急に見えなくなるわけではなく、今日より見づらくなるけれど月末ごろまで楽しめるでしょう。再び見え始まるのはクリスマスイヴごろで、12月28日ごろまで見えています。(※ただし今月のようには見えません。)来年1月22日頃から数日間もギリギリOK。その後は盆地の縁にある山脈が見えるものの、盆地の底にある「東の海」はほとんど見えないシーズンに突入します。


時間は前後しますが、11月25日19:40過ぎ、三重県の中村祐二さんがみずがめ座に15.7等の突発天体を発見したとのこと。昨夕に撮影してみました(下A画像)。青白い星のようで幾分増光しています。

また、オリエンタレ盆地観察直前にはレナード彗星(C/2021 A1)も撮影しました(下B画像)。今朝から12月1日まで月が40°以内にいることと、光害&電線が多いなどの理由から正しいフラット補正もできず画像が荒れていますが、明るい街中でも1°を超える尾が確認できます。

  • 20211127_TCP J21041112-0102012

    A.TCP J21041112-0102012
  • 20211128レナード彗星(C/2021 A1)

    B.レナード彗星(C/2021 A1)


今日の太陽2021/11/28

20211128太陽
今日も朝からよく晴れています。明け方はほぼ0度からのスタート、気温の上がり方は鈍いけれど、遠くの富士山がとても良く見えました。

20211128太陽リム
左は10:10過ぎの太陽。中央過ぎの活動領域12898と12900がよく見えています。12899付近のプラージュらしき光が右下リム近くに見えていますね。その内側にあるダークフィラメントはもう数日で光球から顔を出しそう。どうか消えずに持ってほしい。

左やや上リム近くに新しい黒点が見えてきました。左下リムのプロミネンスも目立っています。