台風になるかも知れない熱帯低気圧発生2020/07/31


20200731-0900熱帯低気圧
気象庁によると、本日9:00に「台風になるかもしれない熱帯低気圧」が発生したとのこと。

左は発生時の気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。オレンジ点線円は熱帯低気圧中心の直径1000km円を表しています。香港の南、海南島の東付近ですね。西進しているようで、日本への影響はなさそうです。

梅雨空も月末に来てようやく終わる気配を見せています。各地が長雨、大雨に見舞われましたが、7月に台風がなかったのは不幸中の幸いでした。でも8月以降はドドッと押し寄せそうです。

右下図は気象庁の台風統計記録に残る1951年から2019年までの数値を使い、6月から10月まで1ヶ月に何個の台風発生が何回(年)起こったかを集計したもの。夏から秋にかけてグラフの山が発生個数の多いほうへシフトしていますね。最近の報道では7月に台風発生がなかったのは観測史上初めてと盛んに強調していますが、そんなに大袈裟に言うことでもありません。

月別の台風発生個数と回数
もともとの統計母数が少ないですし(※7月発生台風は右図期間でたったの270個、平均3.91個/年)、7月内発生は最大でも高々8個(1970年、2017年)ですから、そのなかで1個2個の違いを強調したところであまり意味はないでしょう。また、月別というのは人為的な区切りですから、均等な切り方に比べて統計上の公平性に欠けます。もっと全体の傾向を深く見据えて、本質的な統計分析をしてほしいと感じました。

正規分布とは言い難いグラフだけれど、あえて月毎に標準偏差をとってみると、7月、8月はオフシーズンの数倍以上になりました。9月、10月よりも確実に大きい。つまり発生個数がばらけやすいのです。これは夏台風と秋台風の見過ごせない差異です。

西之島の噴煙がどえらい事になってる2020/07/31

20200731西之島
昨年暮れあたりから史上幾度目かの連続噴火を見せている西之島。ほぼ毎日のように衛星を通して観察していましたが、ここ数日はかなり活発です。そして今日も眺めてみたらびっくり。これは尋常ではない…見たことないほどの噴煙量なのです。

昨日から風があまり吹いてないらしく、煙がたなびかずに上空へ伸びる様子が見てとれました。今日は南側へ流れて滞留した煙とも相まって、いっそう毒々しい感じですね。気象衛星ひまわりでもはっきり見えますが、左は米国の地球観測衛星Aquaによる本日の高解像度画像(画像元:NASA-WorldView)。モクモクした煙がとても鮮明です。

かつて数百メートル程度の“岩場”であったこの島も、今や2.75km2まで大きくなりました。噴火のたびに環境が作り変えられ、今はまだなかなか安定して生物が定住できないと思われますが、いつか手つかずの楽園になってほしいと願いつつ。