今日の太陽は今年いちばん小さく見えます2020/07/04

20200702太陽比較
本日は今年の遠日点通過日。正確には今夜20:35ごろ、地球が軌道上で太陽から一番遠い場所を通過します。

日中に太陽観察できればよかったのですが、このところ梅雨前線がとても活発で、昨日から九州・四国は災害レベルが深刻な状況…当地・茨城でも昨夕からずっと雨が降り続いています。向こう一週間ほど雨マークが並ぶ天気予報ですから、太陽は見えそうにありません。

そこで、近日点と遠日点の際に毎回行っている「太陽の大きさ比べ」を、一昨日7月2日の太陽撮影画像でやってみました。今年の近日点通過日は1月5日でしたので、同一機材・同一条件で撮影した両日の画像を並べたのが左画像。これくらい大きさが違って見えますよ、ということですね。

20200702太陽の向き
一昨日の太陽について、撮影時にどのような向きだったか経緯線などを描いたのが右図。私の撮影画像は特に断りのない限り画像上下方向を自転軸方向に揃えています。太陽は画像の左から右へゆっくり自転していますから、例えば画像に写っているプラージュが今日も見えているならば、もう少し中央に寄っていることでしょう。

ちなみにこのプラージュ位置には微小黒点があったのですが、翌日にほとんど見えなくなりました。ところが今日になってまた復活しているようです。ううぅ…雨続きの日々に限って黒点出現だなんて…

毎年7月頭ごろこうして比較画像などを作っているわけですが、では遠日点通過時の「太陽と地球の距離」は通過ごとに変わらないのでしょうか?これ、実際に計算してみると結構ばらついているんですよ。

遠日点距離変化
左図は1950年から2050年までの遠日点距離変化を描いたグラフ。一見してランダムな変化に見えますが、よく見ると10年程度の緩やかな振動があることや、全体が右下がり…つまり縮まっていることが分かりますね。あくまで計算値ですから実際はもっと複雑でしょう。

いつの日か恒星・惑星間距離の正確な測定技術が確立した暁には、この「振動する惑星軌道の仕組み」をいっそう詳細に解明してほしいですね。

参考:
アーカイブ「地球の近日点通過日と遠日点通過日」

九州南部で豪雨による土砂災害発生2020/07/04

20200703積算降水量
九州南部に昨日から降り始めた雨は、24時間も経たないうちに多くの土砂災害・河川氾濫を引き起こしてしまいました。思えば2017年の九州北部豪雨も、降り始めは7月4日でしたね。厄日なんでしょうか?

気象庁の公開データを使って12時間・24時間降水量が多い地区を中心に12のアメダスポイントを選び、積算降水量のグラフを描いてみました(左図)。昨日3日0:01から本日4日12:00までの1時間区切りです。グラフが途中で止まっている地区は、何らかの原因でデータが無かったケース。もし気象データの測定やデータ送受信システムにエラーがあったということなら、防災・減災の根幹を揺るがすとんでもない事態です。

九州北部豪雨のとき描いたグラフと比べてみると、多くの地域で時間あたりの降水傾斜が同等以上を示していました。不幸中の幸いだったのは昼までにいったん雨が止んだという点のみ。「だから今後は大丈夫」なんてことは言えません。

下には気象庁サイトからの引用で、4日0時から3時間ごとの降水ナウキャスト画像を掲載しました。特別警報が出た熊本・鹿児島だけでなく、四国や紀伊半島を含む広範囲に大雨の区域が及んでいます。台風などの大雨なら大抵は時速数十キロ程度で雨域が移動してくれますから、数時間我慢すれば隣県へ去ってくれるでしょう。でも停滞する梅雨前線+次々に供給される湿った空気という構図は厄介です。急斜面が多いお国柄ですから、あっという間に山々が雨と土砂を集めてしまいますね。

熊本地震からの復興もまだ道半ばでしょうに…。とにかく被害が少ないことを祈るばかりです。

  • 20200704-0000降雨レーダー

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