曇る前に彗星観察2019/01/06

  • 20190106ウィルタネン周期彗星(46P)

    A.ウィルタネン周期彗星(46P)
  • 20190106ステファン・オテルマ周期彗星(38P)

    B.ステファン・オテルマ周期彗星(38P)


昨夜から今朝は若干気温が高く、迫り来る曇天(?)の前触れのようでした。ただ、意外に星空が綺麗だったので、曇るまでの間にウィルタネン周期彗星(46P)とステファン・オテルマ周期彗星(38P)を撮影することにしました。

上画像は彗星頭部を止めるようにコンポジットしたものですが、これはつまり線状になった恒星が彗星の移動方向や移動量を表していると言うことです。両方とも1時間露出で画像上が天の北方向。ウィルタネン彗星は概ね西から東へ向かっており、少し前の画像と比べてずいぶん南北の移動量が減ったことが分かるでしょう。画像上に近くなるほど北極星に近くなるのですが、移動の北向き成分は9日深夜から10日明け方に逆転するので、そのときがいちばん「北寄り」ということになります。以降、ウィルタネン彗星は南下を始めます。

いっぽうステファン・オテルマ彗星は2月上旬まで北上を続けながらゆっくり暗くなります。画像では恒星の軌跡がまっすぐ立っていて、いかにも北上と分かりますね。いつも撮影時の方向を揃えておけば、画像を見ただけで彗星の様々な情報を得ることができるのです。

撮影終了間際から南天に雲が通過するようになりました。いかにもな南岸低気圧の雲です。

参考:
ウィルタネン周期彗星(46P)に関係する記事(ブログ内)

久しぶりに見た部分日食2019/01/06

20190106-NASA日食図
二十四節気の「小寒」を迎えた本日6日午前、全国的に観察可能な部分日食が起きました。気象衛星を見ると雲がかかっている場所も結構ありましたが、当地・茨城県南部では食最大となる10時過ぎまで概ね観察できました。(右はNASA Eclipseサイトからの引用で、今回の日食図。)

当地では8:44頃から日食が始まりましたが、開始時の太陽高度は18°弱と低く、また低空に雲も多かったので、ときおり雲間から顔をのぞかせる太陽が欠けてゆくのを日食観察メガネ越しに見ていました。

9:30を過ぎるとようやくベランダに日が差してきたので太陽望遠鏡をセットし、食最大時刻を基準に極力10分間隔になるよう撮影しました。ただ、地平と上空とから雲がダブル攻撃してくるため、思うように行きません。特に食最大時は太陽がほとんど見えなくなるほどでした。11時頃には空全体に雲が多くなってしまったため、観察終了となりました。

20190106-1008リム
この観察で撮影できた画像を下に掲載しておきます。一部はかなりしつこい雲越しのため不鮮明ですのでご了承ください。各画像は上方向を太陽北極方向にそろえてあります。右端近くには活動領域12732が明るく見えており、9:57以降の画像では右上リムと右下リムにプロミネンスがはっきり見えています(左画像)。

嬉しいことに、今年は12月26日夕方にもう一度日食観察できるチャンスがあります。今回曇られてしまった方も、希望を持っていてください。詳しくはこちらの記事をどうぞ。

  • 20190106-0937部分日食

    9:37(食最大の約30分前)
  • 20190106-0947部分日食

    9:47(食最大の約20分前)
  • 20190106-0957部分日食

    9:57(食最大の約10分前)


  • 20190106-1008部分日食

    10:08(食最大の約1分後)
  • 20190106-1018部分日食

    10:18(食最大の約10分後)
  • 20190106-1027部分日食

    10:27(食最大の約20分後)


  • 20190106-1037部分日食

    10:37(食最大の約30分後)
  • 20190106-1047部分日食

    10:47(食最大の約40分後)
  • 20190106-1059部分日食

    10:59(食最大の約50分後)