月とヒアデスが接近しました2019/01/18

20190117月とヒアデスの接近
昨夕はよく晴れて、暗くなるころ既に東に高く登っていた月齢11の月のそばにおうし座のアルデバランが見えていました。アルデバランがあるということは、月がヒアデス星団に接近しているということ。晴れが持ちそうだったので、南中を過ぎた21:30頃にカメラを向けてみました。

満月近くの月と淡い星が作る星団とでは明るさが違いすぎ、一般的な撮影では一度に撮影できません。左画像は多段階露光の技術を使ってコンポジットしたもの。周囲の星団から月面まで、できるだけ適正に見えるよう処理しています。肉眼で見た感じに近いです。眩しい月が近くにあっても暗い星まで見える人間の目は本当にすごいですね。

月とヒアデス星団(またはアルデバラン、プレアデス星団)の接近は毎月のようにあり、冬から春にかけては宵から夜の始めに楽しむことができます。毎月見る度に位置関係や月齢が変わり、実に面白い対象です。今年これからだと、2月13日、3月13日、4月9日と続きます。特に4月9日には「ヒアデス+細くなった月」の近くに火星も並び、さらに10°ほど離れた近所には岩本彗星がまだ11-12等前後で見えているでしょう。

この後別の観測テーマがあったのですが、抜群に良い星空なのに夜半前から風が強くなってしまいました。時折5m/sを越す強風が断続的に明け方まで続き、観察はほとんどできませんでした。唯一、風の合間を縫って撮影できたのがウィルタネン周期彗星(46P)とNGC2685の大接近です。NGC2685はらせん状銀河(Spiral Galaxy / Helix Galaxy / Polar Ring Galaxy)と呼ばれるレンズ型の不思議な形をしており、おおぐま座の一角に輝きます。一昨日夜から今朝にかけてウィルタネン彗星が数分角まで接近したので、ぜひ撮影したいと思っていました。

風が強かったので感度を上げて露出を切り詰め、何とか二天体を画像に収めました(下A画像/右上の小さな銀河がNGC2685)。ただ、本来は光害のない空でたっぷり露出しないと銀河の形や螺旋構造が見えないので、写ったのは銀河中心の光芒のみ。参考までにwikiコモンズからNGC2685の画像を引用しておきました(下B画像/クリックでwikiコモンズページにリンク)。なおB画像を43°ほど時計回りに回転させるとA画像の向きに一致します。周囲の星を辿ると分かりますが、とても大きな構造を持つ銀河ですね。

  • 20190118_46P&NGC2685

    A.ウィルタネン彗星とNGC2685
  • NGC 2685

    B.NGC2685


今日の太陽2019/01/18

20190118太陽
昨夜からよく晴れていますが、強風が続いています。当地・茨城県南部では昼過ぎの時点で最大風速10.4m/sを記録しました。風を受けなければたいして寒くありませんが、こんな台風並みの強風では移動するのも困難ではないでしょうか。肌もカサカサです。そう言えば昨日17日、県内全域にインフルエンザ警報が発令されていました。

20190118太陽リム
左は11:20過ぎの太陽。風が一瞬止む時間を繋いで撮影しました。活動領域はありませんが、左リム上下に新しい中規模のプロミネンスが姿を現しました。これは嬉しい。また新しい領域を見せてほしいですね。