移動量が小さくなったウィルタネン彗星2018/12/30

20181230ウィルタネン周期彗星(46P)
昨日日中から吹き始めた強風は夜になってもなかなか止みませんでした。空はとてもよく晴れていたのに、これでは長焦点での観察ができません。やむなく、夜半過ぎに短めの500mmでウィルタネン周期彗星(46P)のみ撮影しました。駐車してある車と車に挟まれるように陣を敷き、少しでも風を防ぎます。明け方には弱まりましたが、思い出したように3m/s程度の風圧を受けました。関東の冬はこれがあるのでもったいない気分。

月の影響があったものの相変わらず彗星は良い写り。でも最盛期よりぐっと動きが遅くなりました。今月15日夜に同じ機材で撮影した画像と比べてみてください。コマの大きさも小さくなったし、今回は露出を1時間にしたのに、15日の30分露出より移動距離が少ないです。どんどん地球から遠ざかっているので、見かけの動きが小さくなったのですね。

今日現在のウィルタネン彗星は北極星からの離角34°程度のところにいて夜中に南中し、夕方から夜明けまでフルタイムで観察可能です。



参考:
ウィルタネン周期彗星(46P)に関係する記事(ブログ内)

今度は最低クラスの低気圧2018/12/30

20181229-0300地上天気図
一昨日辺りから今日まで、日本の北側を中心とした冬型の気圧配置がどんどん強まり、各地で被害が出ています。また雪が降ってない関東平野でも冷たい強風に見舞われていますね。(※おかげで、快晴なのに今日の太陽観察ができませんでした…。)

昨日は調査時間不足で記事を書けませんでしたが、実は昨日29日3:00の地上天気図(左図/気象庁サイトから引用/見やすいよう着色)に描かれているオホーツク海上の低気圧が934hPaを記録しており、2002年冬以降で調べた範囲では最低記録でした。28日にはシベリア高気圧が最高記録を出したばかりなので、連続記録に驚くばかり。

気象庁「日々の天気図」に描かれているオホーツク海付近の低気圧で、今までの最低記録は2011年1月17日と2016年12月29日の936hPa(下A・B図参照/気象庁サイトから引用)。一応お断りしておくと、「日々の天気図」と「アジア広域地上天気図」とは範囲が違う上、カバーする時刻も異なるため、完全な比較はできません。でも起きている事象の流れは同じように追うことができるでしょう。 日本付近にやって来る台風でもここまで低くなるのは年間に数個程度です。まして気圧が低いまま台風が高緯度まで到達することはありません。昨日のような低気圧が俗称「爆弾低気圧」と呼ばれる所以でしょうね。東西を最高/最低クラスの高気圧と低気圧とに挟まれつつ年の瀬を迎える日本。大丈夫でしょうか…?

  • 20110117日々の天気図

    A.2011年1月17日
  • 20161229日々の天気図

    B.2016年12月29日