カムチャッカの火山が活発 ― 2017/07/31
ちょうど一週間前の2017年7月24日朝。カムチャッカ半島周辺の火山を監視しているKVERT(Kamchatka Volcanic Eruption Response Team)からREDアラートが出ました。2:40頃に半島中ほどのシベルチ山(SheveluchまたはShiveluch)が噴火し、噴煙が12kmも立ち上ったということです。アラートの数時間後にRED状態は解除されましたが、ここ数年のカムチャッカ火山群は活発になっているようです。
24日朝、そうとは知らずに気象衛星ひまわり画像をチェックしていたところ、茶色の雲を発見。逆に辿って火山アラートを知った次第。左はそのときの画像で、6:00撮影のものです(画像元:NICTサイエンスクラウド/地図・経緯線などは筆者)。この茶色の雲は明るくなり始めた3:00頃から可視画像で確認でき、暗くなってきた17:00を過ぎてもまだ漂っていました。雲とは明らかに違う色なので不気味ですね。
北緯58°近くあるので、冬だったら可視光では見えませんでした。でも赤外波長を捉えるカメラなら、冬でも夜でも良く見えます。同エリアをひまわりのB13波長で見たものが下の(A)。10分おきに並べましたが、噴煙が立ち上る様子が見事に写っていますね。同エリアは今年5月下旬にも広い降灰があり、(B)画像の通りまだ雪が溶けない半島の一角をどす黒く染めました。(→The Earth Observatoryの関連記事参照。)またそのすぐ前の3月下旬には 同半島南端のカンバルニー山が噴火しましたね。
立て続けなのが気になったので2011年1月以降今月までのアラート回数を調べました(下の(C)図)。REDとORANGEのみをピックアップ、重複しないよう月ごとに数えただけなので、噴火や降灰の回数そのものとは言い切れません。でもこの数年は「心配するほどじゃない」と楽観視できない状況に感じます。知床岬からシベルチ山まで、わずか1900km足らずという事実…。