明け方に彗星同士が接近中2015/09/05

201509彗星会合
星図はステラナビゲーターを使用
明るい月や惑星ならともかく、暗くて淡い彗星や星雲、銀河のような天体は少なくとも2、3時間の連続した快晴夜でないと観察できません。この夏はほぼ全滅に近い状態でした。「淡い天体禁断症状」がハンパないです(笑)

それはともかく、そろそろマスター彗星(C/2015G2)が日本の空に帰ってきている頃だと思い、計算してみました。すると絶好の観察好機を迎えているではありませんか。現在明け方の東には火星や金星が見えていますが、すぐ近くにはプレセペ星団(M44)もあります。6月上旬に夕空で金星と並んで見えたかに座の散開星団ですね。マスター彗星はまさに星団を横切ろうとしているところでした。これはファインディングが楽でしょう。光度はもう14等くらいに落ちていますが、ガッツリ撮影すればまだまだ撮れる明るさです。

20060425_73P分裂核
また周囲には有名どころの周期彗星(太陽を何度も回る彗星)がふたつありました。一つは昨年から彗星探査機ロゼッタが接近し観測しているチュリュモフ-ゲラシメンコ彗星(67P)。もうひとつは分裂彗星のマックホルツ第2彗星(141P)。彗星は時々分裂して消滅することもあれば、逆にバーストして明るくなることもあります。(右は2006年に話題となったシュワスマン・ワハマン第3彗星73Pの分裂したB核とG核、2006年4月25日撮影。)今回も主核がバーストして明るくなったようなので注目です。どちらの周期彗星とも12等程度とのことです。

左上星図のように、プレセペ星団を囲んで三彗星が1ヶ月かけて会合しますから、チャンスを狙って見てくださいね。特に9月14日から16日は三ついっぺんに撮れるほど接近しますよ。とは言っても、晴れなければ何もできませんが…。これからの美しい秋空に期待です。夕方西空でもコプフ彗星(22P)とテンペル彗星(10P)がてんびん座近くで併走していますので、晴れている地方の方はお見逃しなく。

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