日照が大幅に落ちたこの1ヶ月2015/09/16

20150915桜
昨日15日も午前中は雲が多かったのに午後遅くなったら良く晴れて、夜はまた曇りました。めまぐるしく変わるお天気で、なかなか安定しません。たまの晴れ間は本当に貴重です。左写真は昨日15時過ぎに撮った近所の公園ですが、3月31日の記事2枚目写真と同じ木々です。春に美しい花を咲かせた桜もだいぶ紅葉が進み、落ち葉も多くなりました。

一昨日14日に気象庁から日照不足に関する注意が発表されました。8月12日から9月13日までの集計では、平年の日照に比べて東京が50%、大阪で70%、福岡も72%と低いそうです。みなさんのところではいかがでしょうか?私の住む茨城県も非常に曇りが多く、加えて先日の大雨と水害。秋に収穫する稲や野菜、果物などがとても心配です。

2015日照調査(9/15まで)
A:日照時間


2015日照調査(9/15まで)
B:日照比率


2015日照調査(9/15まで)
C:日照比率の差
この発表は三都市だけだったので、地元はどうなのか具体的な傾向を知りたくなりました。そこで、気象庁が公開している茨城県つくば市のアメダスポイントデータを使い、今年2015年の日照を1月1日から昨日9月15日まで調べてみました。右に三種類のグラフを示します。クリーム色の範囲は梅雨の期間で、今年の関東確定値(6月3日ごろから7月10日ごろ)を表しています。

グラフAは単純に日照時間をグラフ化したもの(青線)。一緒に描いてある赤線は自作ソフト計算による「日の出から日の入りまで」の時間、オレンジ線は1981年から2010年まで気象庁が集計した日照の日々平年値です。青線は細かく上下していますが、梅雨の前半までは平年通りかなと思います。でも梅雨後半および8月上旬から昨日までは平年越えの日がかなり少ないですね。

ところで「昼の時間」は季節によって変わりますので、昼間の何%日照があったかを知りたいと考えました。そこでグラフBはAの日照時間を昼の長さで割った比率に換算して描きました。100%なら日の出から日の入りまで快晴だったと言うことです。オレンジ線の平年値比率と比較して、ここ1ヶ月の日照は梅雨と比べてもかなり低いことが分かります。

さらに見やすくするため、5日毎に合計した値を使ってBのように比率を求め、オレンジ線との差分を描いたものがグラフCです。0%に近いほど平年並み、プラスなら平年より日照が多く、マイナスなら少ない状態です。細かいギザギザが均されて傾向が分かりやすくなったでしょうか。これもまたここ1ヶ月以上ずっとマイナスという悲惨な結果…。7月と8月の傾向が極端すぎます。本当に今年のお天気はどうなっちゃってるんでしょう…不安になります。農家の方々はモチベーションが途切れて心が折れてしまうかも知れません。

ところで集計してて思ったのですが、天文ファンの私としては「夜間どれくらい晴れていたか」も気になるところ。昼なら日照計で晴れ具合を調べられますが、夜間に自動で測る手段はないものでしょうか?
※気象庁の定義では「直達日射量が0.12kW/㎡以上」を日照としているので、日の出直後や日の入り直前の太陽光が弱い時間は日照になりません。だからグラフBでは快晴であっても100%(昼の長さ=日照)になる日はありません。またつくば市は平地ですが、山間のアメダスポイントなど観測地が高い地形に囲まれている場合も「太陽は地平線より上だけど物理的に光が届かない時間」があり、同様に快晴でも100%になりません。

ヒガンバナが咲き始めました2015/09/16

ヒガンバナ
今日の午前中は薄日が差したものの、午後は完全に曇ってしまいました。夜には雨が降る勢いです。鬱になりそうなお天気ですが、嬉しいこともありました。隣家の庭先で毎年花を咲かせるヒガンバナが、今年最初の開花を迎えたのです。三日ほど前に見たときはまだ先端のつぼみも赤く見えない状態だったので意外でした。

ヒガンバナ球根
幼少には毎年田んぼのあぜ道に咲き乱れるヒガンバナの中で秋を迎えたので、私にとって懐かしさと物悲しさを心にもたらす花です。

球根で増えるヒガンバナほど開花のばらつきが少ない植物は見当たりません。日本中のヒガンバナはひとつのDNAのクローンだから、と聞きました。不思議なことに一見して葉がありません。でも右のように球根を掘り起こすと葉芽が確認できます。
ワレモコウ
花茎を伸ばして花を咲かせるとき、葉は必要ありません。周りの植物がすっかり枯れ果ててから葉を伸ばし、誰にも邪魔されることなく光合成して球根に力を蓄えます。何と合理的な生き方!そもそも球根なのにちゃんと「シベ」があり、しかも染色体が三倍体なのでタネができない(できにくい)のも不思議…。そんなことを知らなかったこどもの頃は「宇宙人みたいにヒョロッとした奇妙な花」という印象しかありませんでした。

この時期を彩る別の奇妙な花には、ワレモコウ(左上画像)もありますね。花びらのない花ですが、やたら小さな虫たちが寄ってきます。当地には白い色をしたナガボノシロワレモコウ(右画像)も咲いています。
ナガボノシロワレモコウ
結構まとまって群生しているので綺麗ですが、虫がワンサカいて近寄りがたいこともしばしば。白と言えば白いヒガンバナもあるそうですが、私自身はまだ実物を見たことはありません。紅白揃っている花って、なんか意味も無く大好きです。

秋の花々には曇り空よりも透き通った青空と夕日がよく似合います。20日は彼岸の入り。もうすぐ秋の折り返しです。