夜明けに下弦前の月2023/05/12

20230512_25903月
昨夜から夜半までは薄曇り、夜半過ぎからは雲が取れ、明け方にかけて晴れてくれました。日の出が随分早くなったので時間をかけた観察や撮影は無理でしたが、薄明の中に昇ってきた月を見ることができました。

左画像は12日3:40頃の撮影で、太陽黄経差は約259.03°、撮影高度は約25.82°、月齢は21.60。低空だったもののシーイングはやや良い感じ。時々大きく揺らぐのが気になりました。暦の上では本日が下弦なのですが、下弦瞬時は23:28だから残り20時間もあります。明暗境界はまだ丸みを帯びていますね。下弦らしい月を観るなら明日朝のほうが良いのだけれど、雨予報です。

北極域が良く見え、ゴルトシュミットやW・ボンドなどが夕暮れを迎えています。バロウはRay現象が見えています。プラトーの北、氷の海にも気付き難いけれどリンクルリッジがあるんですね。すらりと伸びたアペニン山脈がすばらしい。ヒギヌス谷も間もなく夜。

南極域はシュテフラーやヘラクリトスあたりがが欠け際にあります。プトレマイオスやアルバテグニウスの周囲を縦断する傷のような地形が生々しく、それらと平行する直線壁も見え始まっています。秤動の関係でオリエンタレ盆地は裏側へ回ってしまい、よく分かりません。シラーやシッカルトもこんなに端に寄るのかとビックリするくらいです。

赤緯が低くてここ数日は全く見えなかった月。だんだん北上してきたのは良かったけれど、20日の新月に向かって夜明けに見える時間はごくわずか。天候不安定もあり、春の下弦過ぎは本当に観察の機会が少ないですね。

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