突発天体の報告相次ぐ2022/01/08

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日本の観測者による突発天体の報告が相次いでいます。

1月5日18時前ごろ、北海道の上田清二さんがこぎつね座に11.8等の突発天体を発見。この位置にはもともと13.920等と15.467等(各Gmag)の接近した赤色矮星があるとのことで、一時的なフレアではないかとの指摘があるようです。

左画像は昨夜18時台に撮影したものですが、やはり元の明るさ程度に落ち着いていました。低空のため大気のゆらぎで星像が肥大しています。

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続いて6日22:30ごろ、三重県の中村祐二さんがさんかく座に14.9等の突発天体を見つけたとのこと。これも昨夜20時台に撮影してみました(右画像)。若干暗くなってるようですが、青白い天体が写っています。星仲間の(の)さんから、矮新星として分光されたとのお知らせをいただきました。

まだお正月気分も抜けきってない日々なのに、観測者のみなさんの活躍ぶりはすごいものがありますね。恐れ入りました。

今日の太陽と金星2022/01/08

20220108太陽
昨夜から今朝は快星夜、今日朝からも快晴。若干透明度が落ちていますが、強い風もなく穏やかです。

20220108太陽リム
左は10:30前の太陽。活動領域12924の大きな黒点たちが中央に近づき、はっきり見えています。その左の12925も大きくなりました。更に左上にごく小さな黒点が現れました。

プロミネンスは右上と左下などに小さめのものが出ていますね。

太陽観察を終えて、またすぐ昼間の金星観察。ほぼ同じ方向のためか、ひと続きの時間になってしまいました。いよいよ明日は内合ですから、探し出すのも一苦労。(私は自動導入などは一切使いません。)

下A画像は本日11:30頃に白黒センサ+IRフィルタ撮影・疑似カラー化したもので、黄経内合の22時間ほど前、赤経内合の12.5時間ほど前になります。撮影時の太陽離角は約4.888°、輝面比は約0.341%。下B画像はA画像を白黒反転高コントラスト化したもの。画像上方向が天の北方向ですから、太陽が南側から照らしている(金星が太陽の北側を通過中である)ことが分かります。

金星大気の影響で、光っている部分の回り込みがすごいですね。あと60°ほどで全周がつながってしまいそう。1時から2時方向にかけて不連続な濃淡が見られます。昨日の撮影でも写っていたことや、他の方の撮影でも確認できることから、撮影コンディションや画像処理由来のものではないようです。大気の模様でしょうか?今日もシーイングは悪かったものの風がほとんどなかったおかげで、今期内合前に撮影した中ではいちばんクリアな像になりました。

  • 20220108金星

  • 20220108金星



【デザインとしての三日月型】

様々な模様・アクセサリー・造形などのモチーフに月・星・太陽が使われることは多いですが、特徴のある「三日月型」はよく使われます。じっくり見ると実際の月のようにカスプの方向差が180°の形よりも、上の金星内合時の形(もしくは皆既日食直前型?)のように両角がくっつきそうなデザインのほうが幾分多いことに気づきます。もちろん金星がモチーフではなくあくまで月のデザインですから現実にありえない形ですが、どうして好まれるのでしょうね?

国旗で言うと、トルコ、リビア、アルジェリア、チュニジア、マレーシアなどは金星内合型、シンガポール、ウズベキスタン、モルディブ、西サハラなどは三日月型です。またモーリタニアの国旗は180°に達しておらず、まるで月食時の欠け方のようにも見えます。伊達政宗や上杉謙信の兜飾りもこの平べったい三日月タイプですね。由来を訪ね、デザイナーの意図を探ってみるのも面白そう。

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