今が旬の彗星をふたつ観察2022/01/02

20220102アトラス彗星(C/2019 L3)
昨夜から今朝も快星夜。シーイングは冬そのものですが透明度は比較的高く、気持ち良い晴れっぷりです。こんなときは淡い天体に最適…というわけで、相次いで天頂を通る彗星をふたつ観察しました。

まずは左画像のアトラス彗星(C/2019 L3)。このお正月に最盛期を迎えており、小さなモニターでも存在がはっきり分かります。明るい核と短い尾が特徴ですね。街中で撮るとはっきりしませんが、淡く緑のコマも大きく広がっているようです。彗星すぐ北に写っている移動天体は小惑星Gabrova(2206/15.9mag)です。

20220102チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)
ふたつ目は計算上の光度ピークを少し過ぎたチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)。まだまだ明るいです。まっすぐに伸びた尾と大きく広がった尾の二種類が認められます。こちらは緑のコマがよく見えますね。

それにしてもこんな狭い写野なのに人工衛星や航空機が多いこと…。赤い光跡が写ったコマを見たときはめまいがしましたが、あえて外さずコンポジットしました。まじめに測光してる観測者などには大迷惑でしょうねぇ。ひところ盛り上がったコンステレーション衛星の反対運動もいつの間にか聞こえなくなってしまいました。悲しい限りです。

今日の太陽と金星2022/01/02

20220102太陽
明け方から雲が出ていましたが、午前中はその雲が厚くなってしまい、近くでは降水もあったようです。午後になると回復したので、太陽と金星を観察しました。

20220102太陽リム
左は13:40前の太陽。活動領域12922が中央子午線に近くなりました。右上リム近くの12918付近が明るく、活発な活動があるようです。場所は少し違うんですが、12918の北側に淡いけれど高く伸びたプロミネンスが見えてますね。左下のプロミネンス群も相変わらず立派です。

20220102金星
続けて別の機材で青空の中の金星を探し出しました。うすうす感じていたのですが、やっぱりシーイングは最悪。昨年12月28日に撮影したときよりも風は無かったのに、糸のような金星像が踊りまくっていて、ピントのピークさえつかめませんでした。仕上げた画像も12月28日の画像より太ってしまった感じ。機材・撮影法・カメラの向き・画像縮尺などほぼ一緒です。(※夜追記:多少マシになった画像に差し替えました。)

内合の一週間前ですから折れそうなくらい細いのですが、うまく撮影することができないのはもどかしいですね。日没後に小型双眼鏡で見たところ、可愛らしい三日月状の姿が見えました。