梅雨の中休みに惑星観察2018/06/22

  • 20180622土星
  • 20180622火星
昨夕まで雲が多かったものの、夜になってから明け方まで概ね晴れが続きました。望遠鏡で木星を見ると模様が分からないほど大気が揺れ動いていましたが、せっかくなのであと5日ほどで衝を迎える土星と、薄明が始まる頃の火星を観察しました。

色々条件を変えて撮ってみましたが、揺れ動く大気を軽減する術はありません。土星は不思議と暗く感じ、本当に衝なのかと疑ってしまうほど。目には分からない薄雲があったのかも知れませんね。

20180622_0300火星図
対して火星はとても明るく感じました。撮影したのはちょうど大シルチスが正面の向きで、上画像の火星中央少し上に暗く見えています。右の火星マップ(Guideにて作成)と対応させてください。大シルチスと南極冠の間にあるヘラス平原も何となく明るく写っていますね。砂嵐の影響を心配したのですが、やや弱まっているのかな?南極冠がやたら小さく感じました。

2001年火星の砂嵐
5月末から発生している砂嵐ですが、ひどいときは数ヶ月以上続くようなのでバカになりません。表面の模様がまるで見えなくなりますから。右画像はNASAサイトからの引用で、2001年の砂嵐を Mars Global Surveyorが観測したもの。ほぼ同じエリアを1ヶ月置いて写したものを並べてあるのですが、こんなに見え方が変わってしまいます。中央の暗いところは上画像と同じ大シルチス。

砂嵐とキュリオシティー
この砂嵐による太陽充電型のバッテリー不足で機能停止してしまった火星探査車オポチュニティーは未だに回復しません。また、もう一台の探査車キュリオシティー(左画像/NASAサイトからの引用)は原子力電池なので動けますが、結局嵐に覆われてしまったため作業を一時中断したそうです。分析装置等に砂が入ったら動作不良やコンタミネーションを起こしかねませんからね。

左画像は大きめに掲載してありますが、装置を良く見ると可哀想なほど赤い砂だらけ。背景にも砂嵐が写っていますよ。手前左側の岩石には、探査作業で穴を開けた跡が見えます。映画にもなったSF「砂の惑星」なんていうのがありましたが、地上大気圧が地球の1%も無い火星は、ちょっと歩くとすぐ砂が舞い上がってなかなか収まりません。正にホンモノの砂嵐の惑星ですね。

参考:
2018年火星の地球接近に関する記事(ブログ内)

今日の太陽2018/06/22

20180622太陽
明け方から朝にかけて少し霧が出ました。日中は青空の率がゆっくり増してゆき、午後は良い天気です。

20180622太陽リム
左は14:30過ぎの太陽。なんと、中央に新しい活動領域12715ができていました。昨日Cクラスフレアをごく短時間発生させたようです。右に寄っている12713とともに小さな黒点を侍らせていますね。もう第24太陽周期の極小だというのに、こんなに黒点が出てて良いのかな?

明日はまた下り坂で、夜には雨の予報も出ています。行ったり来たりしながら、少しずつ夏に向かっていますね。