桜と曇天2015/04/03

20150403桜
昨夜半前から崩れてきたお天気。今日は雨が降りそうな雲行きのまま、朝から強風が吹き荒れました。夕方17時の時点で近隣のアメダスデータを確認すると、茨城県内では我が家周辺が一番風の強いポイントだったようです。12:50に12.3m/sという風速を記録していました。台風が来ているような感覚ですね。

左はベランダから見た近くの桜。強風に揺さぶられ、はるばる我が家のアパートまで花びらを舞い散らせていました。せっかくの花見日和だというのに、全くひどいお天気です…。

ところで多くのみなさんに経験があると思いますが、こういう曇天の日は「桜と空とどちらが明るいのか分からない」というような、普通と違う印象を持ちます。通常は白っぽい花と青空ではしっかりコントラストがついて見えるでしょう。でも曇天の日…つまり風景に「色」の差が少ない状態では、空と花が拮抗し、どちらともなく明るかったり暗かったり見えるのです。

20150403桜RGB
同じ桜を、3日前の快晴で撮った画像と比べてみましょう。光の当たり方(影のでき方)や開花状況、撮影設定が違うので厳密な比較はできませんが、おおよその傾向が読み取れます。画像を赤緑青の三原色に分けた場合の比較も見てください。この桜は薄ピンク色ですが、青空では特にGやBでコントラストがはっきり出ています。色のコントラストが出ていると言うことですね。対して曇天ではRGBどれも花と空との明るさの差が曖昧…つまり色だけでは区別しにくいと言うことです。

桜だけでなく手前の針葉樹なども比べてみてください。遠くに見える灰色の瓦はRGBで写りに差が出ません(=グレイ)が、針葉樹はRGBに明らかな差があり(=グレイじゃない)、明暗だけでなく色彩のコントラストが私たちの目に入ります。

人の網膜は色を感じる細胞(錐体細胞)と明るさを感じる細胞(杆体細胞)に分かれ、特に暗くて色の区別が付きにくい場面で明暗の細胞が働くそうです。天体観察を長年している方は実体験として身に染みているでしょう。曇天の桜のように「明るくて色が少ない」場合どうなるのか詳しく知りませんが、「いつもと違う」ということは目がしっかり感じ取ってくれるようです。似たような話では曇天から降る雪が、時に灰じんのように暗く見える現象もありますね。(ちょうどこの記事の写真の様な感じです。