今日の太陽2022/09/05

20220905太陽
昨夜は宵のうち晴れていたものの、空を薄く覆っていた雲がどんどん厚くなり、夜半前には皆曇に。今日午前まで曇りっぱなしでした。午後になって晴れ間が増えたので 無事太陽観察。

20220905太陽リム
左は13:40頃の撮影。右下リムギリギリの活動領域13089が明るいですね。X線フラックスは最低でもCクラスを保っていますので、ここの影響が大きいでしょう。13092・13093・13094や長いダークフィラメントもがんばっています。左リムの幅が広いプロミネンスは全容が見えてきました。もっと高いのを期待してたんですが…。

今日の太陽2022/09/06

20220906太陽
昨夜も早いうちから曇り始め、結局朝まで星を拝むことができませんでした。やや霧のかかったような空に感じました。今日は午前中に曇ったり晴れたりしている隙に太陽観察。昼過ぎまで晴れていたものの、15時前にはまたどんより空です。

20220906太陽リム
左は10:20過ぎの太陽。南半球の大きなダークフィラメントはほぼ中央に達しました。このまま東の縁まで持ってくれるでしょうか?左リム近くには昨日まで幅のあるプロミネンスを見せていたところが光球内に入ってきました。一緒に小黒点も見えてきたようです。左下にパラパラと分散して見えるプラージュに何か変な印象を受けました。

荒れたシーイングの月や惑星たち2022/09/07

20220906_12698月
昨夕も少し雲が出ていたものの、雲間から月が見え隠れしていました。観察できるかな、と様子を窺っていたのですが、なにせ南に低い…。南中高度がわずか26.5°しかありません。南側に高い建物のある我が家からは建物と建物の隙間からしか観察できないため、その時間に曇られたらオシマイです。昨夜は何とか晴れが持ってくれて、観察と撮影ができました。

左は21:50前の撮影で、太陽黄経差は約126.98°、撮影高度は22.80°、月齢10.19。ちょうど虹の入り江、別名『Golden Handle』が見えてきたタイミングで、コペルニクスやプラトーは完全に朝、アリスタルコスはまだ夜明け前。気流が乱れまくっている上に観察高度も低いためシーイング最悪でしたが、虹の入り江南側のリンクルリッジが良く見えました。淡いけれど直線壁も確認できます。測心秤動はB=6.77°、L=-1.62°なので、北極側が良く見える状態ですね。

しばらく眺めた後、南中を迎えた土星に望遠鏡を向けました(下A画像)。こちらもぐにゃぐにゃで、ここ一ヶ月ほど見てきたなかで最低レベル…。特に雲があったわけでもないのに、なぜかいつもより暗く感じました。透明度が悪かった…?露出長めで周囲の衛星も撮ってみました(右下画像)。今回はタイタンが近くにいたので、この狭いフレームが賑やか。タイタン以外はこの写野内をくるくる回るけれど、タイタンだけはかなり遠くまで行ってしまうことが多いです。右下の二星は13等と14等の恒星。写野内には13等台のミマスもいるはずですが、土星本体に近すぎて判別できません。このあと更に、電線群を抜け出した木星も見てみました。やはり暗い…。シャキッとしませんが、どうにか模様を炙り出してみました(下B画像)。

20220906土星の衛星
予報では夜半前から完全に曇ってしまいそうでしたが、結構持ちこたえてくれました。でも日付を越えるとどばっと雲がやってきて空を覆い隠し、少し経つと少し晴れる、を繰り返すように。1時過ぎからガニメデの影が木星に投影されるのを見たかったのですが無理そう…。それでもしばらく粘ったところ、運良く2時前に数分だけ雲の隙間が空き、眺めることができました(下C画像)。ガニメデ本体、ガニメデの影に加え、大赤斑も出てきたナイスタイミング。3日夜半前の撮影でエウロパの影が見えましたが、比べると明らかにガニメデの影のほうが大きい。本体が1.6倍も大きいだけでなく、木星本体から遠いぶん半影直径も大きくなり、高コントラスト処理をする惑星画像では相乗効果で倍くらいに感じます。

撮影時の木星はかなり高く登っていたためシーイングが少し改善され、B画像よりもよく分解していますね。EZsからSEBにかけて5、6本の細線が並んでるように感じました。この3時間あまりに中央経度は117°=およそ1/3周も回ったので、共通して確認できる模様はほとんど分かりません。本当に自転が速い惑星ですね。このあと晴れることはなく、火星はお預けとなりました。

  • 20220906_土星

    A.土星(6日22:11)
  • 20220906_木星

    B.木星(6日22:37)
  • 20220907_木星

    C.木星(7日1:49)


【追記】
ガニメデはエウロパより1.59倍ほど遠いところを公転するにも関わらず直径が5262km(ガリレオ衛星最大)もあり、上に述べた通りエウロパの1.64倍。従って木星中心から見ると遠いガニメデのほうがわずかに大きく見えます。

NASA-SOLAR SYSTEM SIMULATORで3日23時エウロパ影の撮影時ごろ、および今朝方2時ガニメデ影の撮影時ごろに木心(木星中心)から各衛星を観た様子をシミュレートしたものが下図D・E。木星表面のどこかで“日食”が起きている状態だから、各衛星とも背面を見ることになるためほぼ影になってしまいますが、わずかにガニメデが大きいことが分かるでしょう。仮に赤道直下へ影が投影されたら、半影込みの影の直径比はおよそ1.65倍になります。なおガリレオ衛星で最も遠くて木心視直径最小のカリストは、半影込みの影が一番大きい衛星です。※カリストの影は見える期間が限られます(2022年8月20日記事参照)。

  • 20220903-1400ut_europa

    D.木心から見たエウロパ(9月3日23時)
  • 20220906-1700ut_ganymede

    E.木心から見たガニメデ(9月7日2時)



2022年の台風12号が発生2022/09/08


20220908-0900台風12号
気象庁によると、昨日から発達し続けていた「台風になるかも知れない熱帯低気圧」が、本日9:00に台風12号「ムイファー/MUIFA」になったと発表がありました。直前の台風11号発生から10日と18時間後、11号消滅から1日と12時間後の発生となりました。

左は台風発生時・本日9:00の気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。赤点線円が台風中心の直径1000km円。ナチュラルカラー処理のため、薄水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。

11号は複雑に移動しつつ別の熱帯低気圧も取り込んで急発達し、南西諸島を通過しました。12号も北西に向かっており、同じように急発達しながら似たコースを辿るようです。沖縄以南、先島諸島付近には来週頭頃に接近する見込みとのこと。台風に近い地方は度重なる強い台風通過で疲弊してしまうでしょう。とても気の毒に思います。被害が少ないことを祈ります。