やや水平になった月と彗星を楽しむ2021/11/03

20211103-33181月
昨夜は夜半すぎまで晴れたり曇ったり、落ち着いて星が見えないまま時間が過ぎてゆきました。夜半すぎからは徐々に曇り時間が減ったため、後述の彗星たちを撮影できました。

明け方に「水平に近くなった月」を観ようと思っていましたが、4時頃から再び大量の雲。それでもしつこく待機し、雲間から画像を得ることができました。かなりの雲量+低空で不鮮明ながら、丁寧にコンポジットして画質の悪さをカバーすることができました。

左は今朝5:05ごろの月。太陽黄経差は約331.81°、撮影高度は約14.9°、月齢27.37。カメラ内蔵の水準器により左右を水平にしてあります。撮影時の弦傾斜は-8.09°。昨日より「水平らしさ」を少しだけキープできました。ただしよく見ると分かるのですが、肉眼では右側のカスプがもっと上まで見えるのに、カメラを通すと極端に暗くなり右下がりが強調されてしまいます。

弦傾斜は見方で変わる
右は左上画像を反転強調したもの。計算上の弦傾斜(→弦は必ず月の見かけの中心を通る)に対し、特に細い月の場合は肉眼で見た傾斜や画像で表現した傾斜、つまり「見かけ上の弦傾斜(→弦が月中心を通ることはほぼ無い)」は変わってしまうのです。カスプ付近が地形の裏側(影側)を見ている、もともと輝度が低い、といったことに加え、画像として低輝度部分が表現しづらい、PC画面では見えづらいことなどが絡み合っているんですね。地球照がはっきりするくらい露光しないと水平月の良さ(?)は醸し出せないのかも知れません。

月が昇る前に撮影したのはシュヴァスマン・ヴァハマン第1彗星(29P)とチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)。手間取っていた機器調整の最終段階を兼ねての撮影です。29Pはバースト後にどんどん大きくなり、現在はM97ふくろう星雲くらいになりました。67Pはモニターでもはっきり分かる明るさで、緑色のコマが美しいですね。尾もしっかり伸びています。

  • 20211103シュヴァスマン・ヴァハマン第1彗星(29P)

    シュヴァスマン・ヴァハマン第1彗星(29P)
  • 20211103チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)

    チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)


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