巻き取られる「元」台風6号 ― 2017/07/27
毎日お天気が芳しくなく、台風の話題ばかりで恐縮ですが……太平洋の台風5号がだんだん近づいています。気象衛星画像で時々モニタしていたのですが、昨日から気になって仕方ないことがありました。それは「元・台風6号」の存在です。
台風6号は25日21時に熱帯低気圧となり、台風としての寿命を終えました。また地上天気図では26日21時の図から熱帯低気圧のマークすらなくなりました。でも、本当に何もなくなったわけではありません。左は今日の12:00の気象衛星画像(画像元:NICTサイエンスクラウド/経緯線などは筆者)。元・台風6号はまだ小さな渦として存在し続けていたのです。7月24日の記事でふたつの台風の距離が気になるという内容を書きました。台風同士が接近すると「藤原効果」が働いて進路予想が難しくなると感じました。幸いその後すぐ6号は消滅したけれど、まだ健在な小渦がどうなってしまうか心配になりました。
熱帯低気圧期間も含め、この小さな渦になるまでに互いはどういう位置関係だったんだろう…と思ったので、気象庁の台風位置速報に加えて、気象庁から位置が発表されなくなった25日21時以降の元・台風6号を追いかけ、目測で中心位置を測ってみました。 そうしてできたのが右の図です。これは台風6号発生前の熱帯低気圧時期から本日18:00まで、3時間ごとの位置関係を示しています。絶対位置ではなくて、台風5号中心を原点とした相対位置としました。オレンジ色ドットは熱帯低気圧以下の時期、赤色ドットは台風時期です。気象庁での台風位置がどうやって決められるか知りませんので、自分測定のところは渦中心と思うところを測りました。少し不連続ですが、おおよその状況は把握できます。
ご覧の通り、元・台風6号はやってきた方向から270度以上も回り込み、今や台風5号に巻き取られつつあります。正に天然のサイクロン型掃除機!以降の時間はもはや渦位置の判別が不可能で、最終的にはきっと中心近くまで行ってしまうのでしょうね。これって共食いなのかなぁ?なんと哀れな……。