明け方の月とM23の掩蔽 ― 2015/02/15
明け方に細い月が昇りました。細いといってもまだ月齢25ですから、それなりの存在感です。左画像を撮影した時点の太陽黄経差は303.16度、高度は27度弱。さすがに大気がユラユラしていてがっかりするほど締まりの無い画像です。
さて、今朝の月は特別でした。おそらく注目していた方は少ないと思いますが、天文ソフトなどで今朝4時頃の月を表示させると、M23(メシエ天体)という散開星団に大接近して、いまにも隠そうとしています。実際夜明けの時間には両者が完全に重なり、隠される(掩蔽)結果となりました。
輝度差がありましたが、がんばって撮影処理し、月と星団が両方見えるようにした画像が右です。月の左にパラパラとみえる星の緩い集まりがM23。この星団は見かけが月と同じくらい広がっているので、本当にすっぽりという感じでした。月によるすばる(M45)の掩蔽は度々話題になって有名ですが、M23の掩蔽も繊細な美しさがありますね。いっぺんに虜になりました。
次は5月8日夜半過ぎの1時から3時頃、月に隠されてから出てくるまでの一部始終を観察できるチャンスがあります。ただし月齢が19で明るすぎるのが難点。こういうのは細い月がお似合いですよね。双眼鏡や小型望遠鏡の低倍率がお勧めです。
参考:
M23の掩蔽時期はいつ?
アーカイブ:月の形(黄経差288度以上、324度未満)
さて、今朝の月は特別でした。おそらく注目していた方は少ないと思いますが、天文ソフトなどで今朝4時頃の月を表示させると、M23(メシエ天体)という散開星団に大接近して、いまにも隠そうとしています。実際夜明けの時間には両者が完全に重なり、隠される(掩蔽)結果となりました。
輝度差がありましたが、がんばって撮影処理し、月と星団が両方見えるようにした画像が右です。月の左にパラパラとみえる星の緩い集まりがM23。この星団は見かけが月と同じくらい広がっているので、本当にすっぽりという感じでした。月によるすばる(M45)の掩蔽は度々話題になって有名ですが、M23の掩蔽も繊細な美しさがありますね。いっぺんに虜になりました。
次は5月8日夜半過ぎの1時から3時頃、月に隠されてから出てくるまでの一部始終を観察できるチャンスがあります。ただし月齢が19で明るすぎるのが難点。こういうのは細い月がお似合いですよね。双眼鏡や小型望遠鏡の低倍率がお勧めです。
参考:
M23の掩蔽時期はいつ?
アーカイブ:月の形(黄経差288度以上、324度未満)
明け方の暗いふたつの周期彗星 ― 2015/02/15
明け方の月明かりがだいぶ少なくなってきたので、冬の透明感が残っている日々のうちに暗い彗星を見てみようと思いました。今夜のターゲットはまだ見ていないふたつの周期彗星。そのひとつがしし座のしっぽ近くにいるコマス・ソラ彗星(32P)です(左画像)。
コマス・ソラ彗星は現在約9年周期で太陽を回っている彗星で、予想光度は13.8等星。自分の機材では限界に近いですが、限界を知っておくのも大切ですからね。写してみると案外しっかりした像でビックリしました。西向き(画像の左)に1分角くらいの短い尾がV字形で伸びているのも分かります。
もうひとつは薄明時間にやっと昇ってくる右画像のハウエル彗星(88P)です。(注:光芒横にくっついてるのは恒星です。)5年半ほどの周期で太陽を回ります。現在いて座にいて、最も南寄りで超低空の見づらいシーズン。でも今年の5月には9等星程度まで明るくなる予想で、現状どうなっているか気がかりでした。
麻痺のため視界が開けた場所に行けない現在の自分ではアパートの庭が唯一機材を運べる範囲ですが、さすがに超低空のハウエル彗星は無理だろうと思っていたのです。念入りに方位や高度、街灯や建物の妨害状況などを調べた結果、駐車場の半畳ほどのスペースから限られた時間に見えることが分かりました。
画像のハウエル彗星はコマス・ソラ彗星と正反対で拡散していました。核らしい核が見えない状況です。これでも拡散した光を集めたら12等くらいの彗星になります。低空のため星々が肥大してますが、天の川の真ん中で星がいっぱいです。今週は小惑星ケレスと見かけ上大接近しています。なんとか目標達成できた明け方でした。
参考:
明け方のふたつの彗星(2015/01/31)
コマス・ソラ彗星は現在約9年周期で太陽を回っている彗星で、予想光度は13.8等星。自分の機材では限界に近いですが、限界を知っておくのも大切ですからね。写してみると案外しっかりした像でビックリしました。西向き(画像の左)に1分角くらいの短い尾がV字形で伸びているのも分かります。
もうひとつは薄明時間にやっと昇ってくる右画像のハウエル彗星(88P)です。(注:光芒横にくっついてるのは恒星です。)5年半ほどの周期で太陽を回ります。現在いて座にいて、最も南寄りで超低空の見づらいシーズン。でも今年の5月には9等星程度まで明るくなる予想で、現状どうなっているか気がかりでした。
麻痺のため視界が開けた場所に行けない現在の自分ではアパートの庭が唯一機材を運べる範囲ですが、さすがに超低空のハウエル彗星は無理だろうと思っていたのです。念入りに方位や高度、街灯や建物の妨害状況などを調べた結果、駐車場の半畳ほどのスペースから限られた時間に見えることが分かりました。
画像のハウエル彗星はコマス・ソラ彗星と正反対で拡散していました。核らしい核が見えない状況です。これでも拡散した光を集めたら12等くらいの彗星になります。低空のため星々が肥大してますが、天の川の真ん中で星がいっぱいです。今週は小惑星ケレスと見かけ上大接近しています。なんとか目標達成できた明け方でした。
参考:
明け方のふたつの彗星(2015/01/31)
今日の太陽 ― 2015/02/15
木星三つどもえの観察 ― 2015/02/15
今夜は強風のため観察らしい観察ができませんので、2月14日夜に撮影した木星の画像を散々画像処理しました。一昼夜越しですがご覧ください。実は先日記事にした「木星の大赤斑と衛星とその影は同時に見えるかな?」の“三つどもえ”を検証できる最初の機会だったのです。しかも驚きなのは「大赤斑+イオ+イオの影」「大赤斑+エウロパ+エウロパの影」という二種の現象が同夜に重なったこと。これを見ない手はありません。
「大赤斑+イオ+イオの影」は大赤斑が見え始まる19:30頃から始まり、イオが木星を離れる21:22頃まで続きました。また「大赤斑+エウロパ+エウロパの影」はエウロパの影が木星に投影される23:17分頃に開始し、大赤斑がほとんど見えなくなる23:30過ぎまで続きました。今回のエウロパのほうは高い位置で見られるものの、極端に時間が短いため気流が落ち着いてくれるか心配でした。
当日は日中の強風は少しおさまったけれど気流がとても乱れていて、小型望遠鏡での観察では影が時々見えましたが、衛星本体は分かりませんでした。画像もひどいもので、元々たいした機材のない私ではこれで精一杯です。散々処理した割には細部が見えないですね。上画像で左は20:24、右は23:26の撮影(上が天の北向き)です。どこに何が写っているかは文字入りの右画像をご覧ください。
三つどもえ観察のチャンスは2月中に2月20日、2月21日、2月28日の三回(全てイオによる)あります。詳しいタイミングは前述記事の表とにらめっこしてくださいね。(今回は大赤斑が見える時間を中央通過プラスマイナス2時間で考えました。)衝から1ヶ月も過ぎると衛星本体と影の距離が空いてしまい、3月以降は見えるチャンスが極端に少なくなると思われます。ぜひみなさんも今のうちにご覧になってください。
参考:
2015年春の木星や衛星、衛星食、相互食に関係する記事(ブログ内)
「大赤斑+イオ+イオの影」は大赤斑が見え始まる19:30頃から始まり、イオが木星を離れる21:22頃まで続きました。また「大赤斑+エウロパ+エウロパの影」はエウロパの影が木星に投影される23:17分頃に開始し、大赤斑がほとんど見えなくなる23:30過ぎまで続きました。今回のエウロパのほうは高い位置で見られるものの、極端に時間が短いため気流が落ち着いてくれるか心配でした。
当日は日中の強風は少しおさまったけれど気流がとても乱れていて、小型望遠鏡での観察では影が時々見えましたが、衛星本体は分かりませんでした。画像もひどいもので、元々たいした機材のない私ではこれで精一杯です。散々処理した割には細部が見えないですね。上画像で左は20:24、右は23:26の撮影(上が天の北向き)です。どこに何が写っているかは文字入りの右画像をご覧ください。
三つどもえ観察のチャンスは2月中に2月20日、2月21日、2月28日の三回(全てイオによる)あります。詳しいタイミングは前述記事の表とにらめっこしてくださいね。(今回は大赤斑が見える時間を中央通過プラスマイナス2時間で考えました。)衝から1ヶ月も過ぎると衛星本体と影の距離が空いてしまい、3月以降は見えるチャンスが極端に少なくなると思われます。ぜひみなさんも今のうちにご覧になってください。
参考:
2015年春の木星や衛星、衛星食、相互食に関係する記事(ブログ内)







