今日の太陽2015/02/19

20150219太陽
二日間の悪天のあと意外に早く天気が回復したようで、明け方近くに快晴だったようです。ただ日が高くなると雲が出始め、この太陽をさつえいした11時前後は雲量が1、2割ありました。午後はもっと曇るようです。

薄雲越しでコントラストが悪いですが、左側の背が低いプロミネンスがよく見えました。その他あちこちに小規模なプロミネンスがあります。せっかく晴れたのに目立つ黒点もなく、少し寂しい太陽面でした。

夕日と雨雲2015/02/19

20150219雨雲と夕日
夕方、病院から家に帰り着くとご覧のような西空でした。自分の街だけ雲の天井があって、遠くの雲が無い地域から夕日が雲底を照らしているのです。雲からたくさん雨の筋が流れ落ちるのが見えました(画像にも写っています)。10分後、ザーッと降ってきて驚きました。もう少しタイミングが早かったら赤虹が見えたのに、残念でした。帰宅途中で濡れなかっただけマシですね。雨はすぐやみました。

M23の掩蔽時期はいつ?2015/02/19

M23
先日2月15日明け方にメシエ天体のひとつ、M23(右画像)が月に隠される掩蔽現象がありました。月が隠す頃には夜明けになってしまいましたが、隠す寸前の様子は2月15日のブログ記事に掲載したとおりです。M23はプレアデス(M45・すばる)などと同じ散開星団で大きさも月と同じくらいあるのですが、暗いせいかプレアデスほどメジャーでなく、天文カレンダーなどに掩蔽が載ることもほとんどありません。かわいそう…。

M23掩蔽の状況
それで気になったのが「M23の掩蔽日時や条件」でした。概ね毎月1回ごとに月はM23の近くにやってきますが、当然隠すときと隠さないときがあります。そこで計算プログラムを作って1990年から2029年までの40年間をしらみつぶしに調べてみました。左のグラフは、難しく言うと「M23と月の赤経(視赤経)が一致する日時について赤緯差(こちらも視赤緯の差)を計算、その日付と離角のリストをグラフ化した」ものです。もっとざっくり言うと…「M23と月が縦に並んだとき、どれくらい離れてるかグラフにしたよ」です。ただし掩蔽日時や離角は観察地によって変化してしまうし、昼間で見えないなど別の条件も響いてしまうので、ここでは純粋に地球中心(地心)から見た赤経・赤緯で計算しました。(※横軸の日付表記は間引いてあります。実際はほぼ毎月1回起こります。なお「最接近」ではありませんのでご注意。)

プレアデス食(正しくはプレアデス掩蔽かな?)をご覧になった方はご存じかも知れませんが、月による星団の掩蔽は約18.6年周期で波打ちます。これがグラフに見事に現れました。離角0度付近がM23の掩蔽の起きやすい時期ですから、2013年後半から始まり、ちょうど今が一番良い時期で、2年後くらいに終了しそうです。その次は18年ほど経たないと見られないよ、ということですね。

M23掩蔽の状況
右は2015年1月の接近日から2016年12月の接近日までをピックアップしたもの。18.6年周期の大きな波だけでなく、年約2回の小さな波もありますね。離角が-0.25度(=月半径)より遠いと月が南に離れてしまい掩蔽にならないはずですが、星団は広がりがあるので恒星の掩蔽より条件がずっと緩くなります。そもそもこれは「地心での赤緯差」なので、実際は観察地ごとに詳しく離角を計算して判断する必要がありますね。でもまずは大雑把な傾向を知りたいと始めたこと。周期性があり、今が一番見やすいんだ、数年経つと見えなくなるんだ、ということが分かれば十分で、観察の力の入れ方も変わってくるでしょう。

M45掩蔽の状況
ちなみにプレアデスの場合もグラフにしてみました(左)。こちらの場合は前回2006年から2009年あたりに掩蔽時期がありましたね。ネット上で「すばる食」を公開されている諸氏の画像は100%この時期でしょう。その18年前のシーズンはまだフィルム全盛の時代です。今年2015年はプレアデスと月が最も離れるシーズンに差しかかっています。向こう7、8年はかすりもしません。次のプレアデス食は2024年頃のようです。

今何となく感じるのは、星団の大きさが掩蔽のなりやすさに影響しそうだと言うこと。プレアデスならオンシーズンに毎月世界のどこかで掩蔽が見えるのかも知れませんが、それより小さいM23の場合は毎月というわけにいかないでしょう。2月15日に見えたのは本当にラッキーだったのかも知れません。今回の調査を元に、M23など弱小星団(?)の掩蔽カレンダーを作りたいなぁと思う今日このごろでした。