空高く輝くコールドムーン2023/12/27

20231227_17612月
今年最後の満月日を迎えました。満月瞬時の27日9:33ごろは地平下で見えませんが、本日明け方まで、または本日宵に登る月はほぼ真ん丸です。

2023年は8月に月間重複のブルームーンがありましたので、年間の満月数は13回に増えました。次に13回となるのは2026年(5月に2回の満月)。更にその次は2029年(1月と3月に各2回の満月、2月は満月無し=ブラックムーン)。更に2031年、2034年、2037年…と続きます。

27日夜の関東平野は雲が多くなる予報なので、27日未明に満月を楽しみました。左画像は27日01:40頃の撮影、太陽黄経差は約176.12°、撮影高度は約59.65°、月齢は13.71。満月瞬時の約8時間前で、西側(左側)から南側が少し欠けています。この画像を撮影している時間は雲が度々通過し、かなりシーイングが悪化していました。

拡大画像は満月全球に先行して撮影。この頃のシーイングは幾分ましでした。撮影した中から4枚掲載。まず下A画像の南の海付近。(※B画像はA画像に地形名称を書き入れたもの。)ほぼ同じ構図で撮影した三日ほど前の画像と見比べると、秤動によってこの辺りが限界ギリギリまで地球側を向いている事が分かるでしょう。三日前には判別不可能だったリヨやハミルトンの更に奥側が見えるようになりました。リヨに近いリム付近が南の海の中央なので、これでもまだ南の海は半分しか見えていません。地球から見る限り、残り半分を目にすることはできないのです。

下C・D・E画像は北西から南西のリムを辿った画像。C画像は南の海と正反対側なので、秤動が不利な地域です。リム近くにラッセルとエディントンの半円型クレーターが見えていますが、その向こうは無理そうです。クラフトとカルダヌスの間の連鎖クレーターも消え入りそう…。D画像にはすっかり明るくなった月面A地形が写っています。近くにあるはずのミヤモリ谷は全く見えず。グリマルディやダーウィンのドームを見やすい月相も過ぎてしまいました。シルサリス谷やダーウィン谷は何とか見えます。

ダーウィンからリム側に目を移すと影の中に飛び飛びに光る地物が見えます。このあたりがオリエンタレ盆地の外輪山でしょう。三重の外輪山のいちばん外でいったん影になり、その内側の山脈の一部だけ浮いたように光っているというわけです。E画像は更に南のシッカルトまで構図に入れました。インギラミ谷あたりが写ることを期待したものの、この頃にはもうシーイングが暴れ始めていたのでほとんど解像しません。

深夜を過ぎると気温1度を下回るようになります。この時間の2時間に及ぶ屋外観察は堪えますが、面白さがそれを上回るのですから人間の心理は分からないものですね。

  • 20231227南の海付近

    A.南の海付近
  • 20231227南の海付近

    B.南の海付近(名称入り)


  • 20231227アリスタルコス、ケプラー、グリマルディ

    C.北西リム付近
  • 20231227グリマルディ、ガッサンディ、ダーウィン

    D.西リム付近
  • 20231227ダーウィン、ガッサンディ、シッカルト

    E.南西リム付近


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