SLIMの着陸予定地を撮ってみました2023/12/29

20231227シオリ・クレーター位置
昨日も前日同様雲の多い空が宵まで続きました。20時前に外へ出ると去りつつある雲から月が顔を出し始めたところでした。シーイングは悪そうだったけれど、せっかくなのでお月見することにしました。いくつか撮影した中から2枚+α掲載。

左画像は一番最後に撮影したキリルス付近。黄色矢印の先にある小さな光条は、小型月着陸実証機SLIMの着陸予定地の目印となるシオリ(栞)・クレーターを中心に広がっています。(※シオリそのものはもっと小さい。IAUに登録されたシオリの位置は中央経度:25.2299°、中央緯度:-13.3266°、直径0.27km。)満月期のように太陽が高いところから照らさないと光条が光って見えないため、明暗境界が迫らないうちに撮っておこうと思いました。と言いますか、SLIMが撮影した月面をJAXAが公開し始めたため、いよいよ着陸が迫ってきたと勝手に盛り上がっている次第。

ちなみにシオリを含む大きなクレーターがキリルス、キリルスの右上が月面グー地形でお馴染みのテオフィルス、キリルスの下がカタリナ。画像右側の暗くなっている辺りは神酒の海、上側は未開の入り江。JAXAによると着陸予定は2024年1月20日0:20JST頃とのこと。当日晴れれば上弦過ぎの月が輝いており、西に低くなったころ着陸になります。このキリルス付近も明るく見えていますから、ぜひ肉眼や望遠鏡で月を見ながらエールを送ってあげてください。

下A画像はとても綺麗に見えていた四大火口列付近。ひと晩前に見えていたフンボルトはもう見えません。欠け際で口を開けているのはギルバート、ラ・ペルーズ、ヘカタイオスB、フィリップス、ルジャンドルD&Fあたりでしょうか。中央に見えるペタヴィウスの南を斜めに横切るスネリウス谷の影が見え始まっています。画像左下のレイタ谷も分かりますね。

下B画像は赤道を挟んでA画像と対象側。危難の海からエンディミオンあたりまでカバーしています。主張の激しいクレーターが無いので覚えづらいところですが、危難の海の北からクレオメデス、ブルクハルト、ゲミノス、メッサラと北上し、希望の湖、ゼノンへ続いています。左上、エンディミオンの奥がゴツゴツしていますね。ここはフンボルト海を中心に多重クレーターと見なしたとき、外輪山の内側にあたるエリア。日が当たっている頃はこんな複雑な地形を想像できません。日光の当たり方で大きく様相を変えるのが月面の魅力でしょう。

  • 20231228ラングレヌス、ペタヴィウス、フルネリウス

    A.ラングレヌスからフルネリウス
  • 20231228危難の海、メッサラ、エンディミオン

    B.危難の海からエンディミオン


今日の太陽2023/12/29

20231229太陽
朝から良く晴れています。二日間雲に邪魔されて太陽観察できなかったので、久々の対面になりました。

20231229太陽リム
左は10:10ごろの太陽。中央左下に微小黒点を伴う活動領域13534ができたので、ひとまず左半球全滅は免れたようです。右上にはスリムで大きなプロミネンス、左下には太くて背の低いプロミネンス。複数のダークフィラメントも右リムに寄ってきました。