虹の入り江が見えてきました2023/12/24

20231223虹の入り江、雨の海
昨宵も気温急降下(2時間で4.5度!)がありましたが、風も雲も無い穏やかな月夜だったので望遠鏡でお月見しました。シーイングはそれなりに良かったので気持ちよく観察できました。撮影した中から3枚掲載。

左は虹の入り江から雨の海にかけて。前夜の入り江はラプラス岬側がちょっと光るだけで他は真っ暗でしたが、昨夜は全体が朝を迎えていました。入り江内が少し暗いので、Golden Handleの雰囲気がまだ楽しめますね。雨の海に向かって伸びるリンクルリッジも良く見えています。グルイテュイゼン・ガンマとデルタがちょうど明暗境界。明暗境界付近にも多数のリッジがあり、凸凹が強調されています。

左寄り、ドリル・クレーター西にあるドリル山の影が本当にドリルの歯みたいにギザギザして面白い。でもこのドリルは「Delisle」であって「Drill」じゃありません。人名(ジョゼフ=ニコラ・ドリル、天文学者)です。ドリル山のすぐ北西の山も二つの耳のような長い影を伸ばしており、山を含めた輪郭が赤塚不二夫さんのキャラクター「ニャロメ」そっくりです。

下A画像は南部の様子。ハインツェルやシラーまで日が当たり始めました。いっぽうクラヴィウスやマギヌスなどは陰影が減ってのっぺりしてきました。ティコの東に隣接するピクテの西壁が一部だけ棒状に光ってることにお気付きでしょうか?これ、いつも気になります。ティコがまだ暗いうちから輝き出し、満月前までずっと明るいのです。ところが満月を過ぎると急に暗い洞穴みたいになってしまいます。調べるとクレーター円周に対して垂直方向に深い谷と山が共存している地形なのですが、そんな説明では納得できないほど見た目が極端に変化します。実に奇妙ですね。

下B画像は南の海付近。明るい側を探索中に目立っていたので撮ってみました。月面図無しでこの画像を一見しただけでジャンセンが写っているとは思わないでしょう。中央を縦断するレイタ谷に気が付けば位置関係が分かるかも知れません。下C画像はB画像に主な地形名を描き入れたもの。リム際がどこまで見えているか気になって作ってみました。満月まで秤動がどんどん良くなるので、晴れればもう少し奥まで見えるかも知れません。

前夜(22日宵)は月が木星のすぐそばでしたが、昨夕はもう離れていました。今夜(24日夜)の月はプレアデス星団近くで輝く予定です。

  • 20231223シラー、クラヴィウス、ティコ

    A.南部
  • 20231223南の海、ジャンセン、レイタ

    B.南の海付近
  • 20231223南の海、ジャンセン、レイタ

    C.南の海付近(名称入り)