金環日食による月影2023/10/15

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日本時間で本日15日0時ごろから6時ごろにかけて、北米や南米で金環日食が見られました(2023年9月15日記事参照)。当ブログでは恒例となった「静止気象衛星がとらえた日食月影」を追いかけてみました。今回は気象衛星ひまわりにはほとんど引っかからないエリアでしたから、アメリカの静止気象衛星GOES-18(WEST)およびGOES-16(EAST)にてモニターしました。

金環日食ですから皆既食よりも少し光が漏れる訳で、真っ黒の影ではなく、やや薄い感じがします。食分も0.952と、金環日食のなかでは中庸で、「隠されない面積」がそこそこ大きいです。(※日本で見えた2012年5月の金環日食では0.944くらい。2000年以降では2002年6月11日JSTの金環日食が0.996でとても細かった。)ただやはり太陽による月の影は大きく、とても見やすいですね。現代では静止気象衛星が赤道上空にずらりと並び、死角はありません。日食月影観察に限らず、とても喜ばしいことだと思います。

左上画像は日食最大の頃の影付近。大きな雲領域が無いので、さぞ美しい現象が見えたことでしょう。また右下画像はGONGから公開されているBigBear観測所のHα画像のひとコマ。

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GONGの観測所では日食時の撮影や画像処理を最低限しかしないようで、他にも日食が写っているコマは多数あるのに画角から外れていたりブレているものがほとんどでした。太陽を観測している施設なのにもったいない…。この画像は比較的良く写っていたものを探し出したものです。

日本で全国的に見える日食は2030年6月1日(北海道で金環日食)までありません。この日は日が傾いてから日食最大になることと、梅雨時期が近いということが気掛かりですが、いっぽうで夏至近くのため日の入り自体は随分遅いですから、会社勤めの方など一日休まなくても午後休で対応可能というメリットもあります。楽しみに待つとしましょう。

GOES-18(WEST)時刻GOES-16(EAST)
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GOES-18(WEST)時刻GOES-16(EAST)



参考:
人工衛星から見たハイブリッド日食の月影(2023/04/20)
ヨーロッパやロシアで見えた部分日食による月影(2022/10/26)
皆既日食に伴う月影が南半球を通過(2020/12/15)
衛星がとらえた6月21日の日食月影(2020/06/21)
衛星がとらえた12月26日の日食月影(2019/12/26)
衛星がとらえた7月3日明け方の日食月影(HIMAWARI編)(2019/07/03)
衛星がとらえた7月3日明け方の日食月影(GOES編)(2019/07/03)
アーカイブ:静止気象衛星による日食月影の可視範囲

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