衛星がとらえた12月26日の日食月影2019/12/26

20191226日食月影
日本全国で本日見える予定の部分日食。全国的に天気が悪そうで、当地・茨城も昼前から雨雲が垂れ込めてきました。どこかで見えていることを期待しつつ、当ブログではいつものように「静止気象衛星がとらえた日食月影画像」を追いかけてみました。この日食はインド洋やアジア圏をまたぐ広範囲で金環日食になるため月の影が地球の一部を暗くし、その様子は気象衛星などを通じて見ることができるのです。

左は本日14:00JSTの気象衛星ひまわり画像(画像元:NICT/地図・画像処理は筆者)。画像右上に日本があります。まだ昼なのに台風29号左側の東南アジア付近が暗く(黒く)なっていますね。これが月の影。

20191226日食図
右はNASA Eclipseサイトによる今回の日食図。この範囲を撮影している気象衛星は日本のひまわりを含め、いくつかあります。今回は「ひまわり8号」に加えて、東経42°の赤道上空にいる「METEOSAT8号」を利用しました。インド洋上空のINSATも良いのですが、カラー画像が公開されていないようですから、やや西寄りのMETEOSAT8号にした次第。METEOSATのほうはひまわりと観測波長が違うため、Natural Colorによる表示です(画像元:NICT、RAMMB/画像処理は筆者)。2015年7月のひまわり8号稼動以降で撮像範囲を大きく横切る月影を見ることができたのは2016年3月9日の皆既日食以来になるでしょう。

日出時に日食が始まる日出初虧線上のP1時刻がおよそ2:30UT(11:30JST)、日没時に日食が終わる日没復円線上のP4時刻がおよそ8:00UT(17:00JST)ですから、この範囲で30分おきに下表へ掲載しました。月影が移動する様子をじっくりご覧ください。

METEOSAT-8時刻HIMAWARI-8
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02:30UT
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07:00UT
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07:30UT
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08:00UT
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20191226meteosat8






20191226himawari8
METEOSAT-8時刻HIMAWARI-8



【追記】
地球を周回して狭い短冊状に地上をスキャンしながら一日一回全球画像を作り上げる地球観測衛星は、定まった一方向から高頻度に撮影する気象衛星と異なるものです。日食月影がうまく写り込むとは限りませんが、下のふたつの衛星「Terra」と「Aqua」はうまくいったようですね(画像元:NASA World-View)。各画像右上に日本があります。影位置の変化から、「各衛星が同じ地区上空を飛ぶタイミングは異なっている」ということが分かるでしょう。

  • 20191226Terra

    地球観測衛星Terraによる
    今回の日食月影
  • 20191226Aqua

    地球観測衛星Aquaによる
    今回の日食月影


参考:
衛星がとらえた7月3日明け方の日食月影(HIMAWARI編)(2019/07/03)
衛星がとらえた7月3日明け方の日食月影(GOES編)(2019/07/03)
アーカイブ:静止気象衛星による日食月影の可視範囲

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