金星と月が同じ形に輝く2023/06/26

20230625_08030月
天候不順の中、昨夕は少しの晴れ間がありました。2022年2月25日記事2023年6月1日記事で示したように、昨日は「月と金星の位相角と光ってる向きが一致する日」、平たく言うと同じ形に輝く日でした。現象瞬時は朝7時過ぎだったため両天体の位相は半日ぶんズレてしまいますが、なんとか観察できないかやってみました。

いつ曇りだすか分からないので日没ごろから準備。かなり透明度が悪く夕焼けがどろっとした真っ赤で、いかにも湿度が高い空の色です。いつも日没前から見えだす金星がなかなか見つかりません。中空の月もそれなりに高度があったにも関わらずピンク色に染まっていました。

両天体は視直径がかなり違います。途中で望遠鏡を換える時間は無いと見て、接眼部をごっそり換えるスケジュールで時間短縮しました。低い金星を先に、月を後にしました。ただしカメラの都合で月は二分割モザイクが必要です。

雲が流れるなか撮影開始。やはりいつもより暗いようで、ゲインを少し上げなくてはなりませんでした。金星を撮影し終え、月にとりかかります。ところが北半球の撮影中からどんどん雲が増してしまい、南半球に移るころには肉眼でも月が暗くなってしまったのです。感度や露出を変えつつなんとか数百フレームを取得したところで皆曇。以降晴れ間が戻ることはありませんでした。日没前でも良いから撮影を早めるべきだったと反省。

残念な星果ではありましたが、どうにか画像処理で月面と金星面を仕上げることができました。月面は南半分だけ荒いため、目立たぬよう小さめに掲載します。2023年6月1日記事にも掲載した両天体の位相角変化グラフを、6・7月ぶんだけ描き直したのが下A図。月は新月・満月期を除いて概ね十数°/日のペースで位相が変わるため、各画像撮影時の地心位相は約6.30°の差があります。それでもだいたい同じ形に見えますね。なにより怪しい天気のなか、わずかでも天体に向き合えたのは本当に幸運でした。

次のチャンスは7月22日。どちらも宵空かなり低くなってるので、大忙しの観察になりそうです。現象瞬時はまたしても朝のため、前日7月21日宵や22日の昼に観察しても良いかも知れません。良い天気になりますように。

  • 金星と月の位相角変化(2023年6・7月)

    A.金星と月の位相角変化(2023年6・7月)
  • 20230625金星

    B.25日宵の金星


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