豪雨明けの空を飾った惑星や月2023/06/04

20230603火星とM44
豪雨になってしまった昨日朝までの天気でしたが、午後にはゆっくり回復。夕方は時おりやってくる浮浪雲と低空に居座る雲をのぞけば青空が広がってくれました。日没後の西空には気になる金星と火星、東空には淡いビーナスベルトの中に昇ってきた満月。なかなか美しい夕景です。

まずは2日夜プレセペ星団(M44)の中央にいたはずの火星。昨夕は少し東へずれていました(左画像)。火星はあと4.5ヶ月で地球から最も遠くなり光度も最暗期を迎えますので、近くのレグルスより暗く見えます。それでも密集度の低いこの星団の中では異彩を放っていますね。良い記念になりました。

次に火星がプレセペ星団と接近するのは2024年12月4日。ちょうど順行から逆行へ移る途中での出来事になります。残念ながら今回ほどは近づかず、星団中心から2°ほど離れていますが、月もなく、未明に空高く見える好条件ですからお楽しみに。

20230603金星
火星観察の前、薄明がまだ残る時間には金星も拡大撮影してみました(右画像)。本日4日20:01に東方最大離角なので、ちょうど24時間あまり前の姿ですね。

シーイングは酷い…と言うか、年間でもこれほど最低なのは見たことないほどのレベルでした。どうにか画像処理で落ち着かせています。太陽離角は45.396°、輝面比は50.384%、視直径は23.250″。今夜は晴れるかどうか分かりませんが、半月状の金星となるでしょう。



20230603_17215月
少し時間をおいて、南中近くなってきた月を観察。左画像は3日22:20頃の撮影で、太陽黄経差は約172.15°、撮影高度は約28.77°、月齢は14.90。満月瞬時は本日4日12:42ですから、14時間ほど前の様子になります。左側がまだ欠けていますね。今年の満月で最南となるのは7月3日ですが、6月のこの満月も同じくらい南中高度が低く、最悪なシーイングも加わって細部が全く見えませんでした。また、この頃から再び雲が増え始め、冷や冷やしながらの観察でした。

1日記事にも書いた通り、右上リムにフンボルト海が姿を現しました。ただ満月後はすぐ欠け始まってしまうため、束の間の登場になってしまいます。対面側のシッカルトなどは逆にリムへ寄ってしまい、見えにくくなりました。オリエンタレ盆地あたりも外輪山が見えるのみです。それにしてもしばらく落ち着いたシーイングに巡り合っておらず、月が出てるのに細部が見えず…というもどかしさを感じます。