立て続けに起こった惑星と月のイベント2023/04/01

20230331金星と天王星の接近
昨夕は薄雲が空を覆っている状態でしたが、徐々に晴れる予報でした。「金星と天王星の接近」「火星とM35の接近」「月面N地形の出現」という三つの現象が起こる日であったので期待しつつ明るいうちから準備。

金星や天王星が写せる時刻になってもまだ空がぼんやりしていました。仕方がないのでそのまま何カットか撮影。金星が雲ですさまじく大きくなってしまい、これは何の現象を記録したものかピンと来ない画像になってしまいました。30分ほど待つとようやく薄雲が取れてきましたが、金星たちはだいぶ低くなってしまいました。

左画像は500mm+APS-Cの画角。天王星は画像中心を挟んで金星と反対側にいますから特定してみてください。撮影時の金星と天王星の離角は1.4°弱でした。金星の輝きがどうにも表現できなかったため、即興で折り紙を使って光条マスクを作ってみたたものの、マスクの傾斜や中心ずれの影響でシャキッとしません。思い付きでやるもんじゃないなと反省。それでも貴重な現象に変わりはありませんね。なにより、工夫している時間は楽しい。

20230331火星とM35の接近
同じ望遠鏡をぐいっともち上げると、火星と散開星団M35が接近して見えました(右画像)。前夜3月30日のほうがもっと近かったけれど、当地は撮影可能時間に晴れ間がありませんでした。高度に余裕があったため、光条マスクを作り直してセット。おかげできれいな光条になったようです。それにしても火星は随分暗くなりましたね。

月との離角が30°あまりしかないため、どうしてもフードに月光が差し込みます。背景も明るい。でもなかなか美しい光景です。NGC2158も写ってますね。星団だけで十分美しいけれど、薔薇色の火星が花を添えてくれました。

このあと火星は6月2日前後に散開星団M44(プレセペ星団)を横切ります。完全に星団の中にはいってしまうので楽しみですね。続けて金星も6月13日前後にM44と大接近を果たします。梅雨入り時で夕空やや低い現象ですが、晴れ間を見つけて是非ご覧ください。

20230331_11650月
更に続けて月面観察。シーイングはかなり悪かったです。左は21:50前の撮影で、太陽黄経差は約116.50°、撮影高度は約61.20°、月齢9.81。コペルニクスやブリアルドゥス、ロンゴモンタヌスなどが朝を迎えました。直線壁はだいぶ細くなりましたね。ため息が出るくらいクラヴィウスが美しい…。

ロンゴモンタヌス近くに見える「月面ス地形」は月没頃に姿を現し始めたはずですが、このときはまだ見えていません。一朔望月後の4月30日は宵のタイミングで見えるでしょう。

20230331_コペルニクスと月面N地形
拡大撮影には適さないシーイングでしたが、コペルニクス近くの月面N地形を撮ってみました(右画像)。このときN地形から見た太陽高度は約2.246°。やや日が当たり過ぎてますね。3時間ほど前だったらはっきり見えていたと思われます。

次回宵空でタイミング良く見えそうなのは5月29日日没前ごろ。日没後なるべく早く、薄暮時間帯にご覧いただくのが吉でしょう。

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