赤い輝星トリオが二等辺三角形に並びました2023/03/20

20230319宵の西空
18日宵に見えるはずだった「火星・ベテルギウス・アルデバラン」の赤い輝星トリオによる二等辺三角形は天候不順で全く見えませんでしたが、昨夕(19日)はきれいに晴れてくれたので、一日遅れで楽しむことができました。

左画像はそのひとコマ。まだ薄明が残っている時間にベランダから撮影しました。三角形はここ一週間で急速に形が整い、美しく仕上がっていました。欲張って構図内に金星から離れてしまった木星と金星に接近している天王星、プレアデス星団やカペラ、オリオンの三つ星などもいれてみました。どこに何が写っているかは文字入りの右下画像をご覧ください。冬を飾る星々はどう切り取っても美しいですね。

20230319宵の西空
このあと金星が天王星に最接近するのは約10日後の3月31日6:07ごろ。日本では見えないため、前の晩か当日宵空でお楽しみください。どちらも離角は1.3°強ですから、小型双眼鏡や視界広めの低倍率望遠鏡で一緒に見えるでしょう。高度が低くなり過ぎない範囲で、ある程度暗くなってからのほうが見やすいと思われます。明るさの違い、色合いの違いなど比べてみてください。なおこのイベントに先立って24日宵には金星と月が接近します。一部の地域では月が金星を隠す掩蔽現象になりますのでお楽しみに。ただ、今週いっぱいは全国的に天気が荒れ模様なので心配です…。

20230319赤い輝星の二等辺三角形
左画像は少し写野を狭めて撮影した赤い輝星トリオ(画像上方向が天頂方向)。ベテルギウスとアルデバランとの等距離線を火星がまたいだのは19日3:50ごろですので、18日宵に見ても19日宵でも少しズレていたんですが、肉眼じゃほとんど分かりません。(そもそも球面三角なので、なかなか立体的に把握できませんね…。)寧ろ正三角っぽく見えたことに驚きました。

地心離角をざっくり計算すると、撮影時の火星・ベテルギウス離角は18.225°、火星・アルデバランは18.395°、ベテルギウス・アルデバランは21.390°。火星は東へ移動しているのでベテルギウスのほうがわずかに近く、また火星を頂角位置にすると、正三角にしては底辺が少し長めです。

次にこのトリオが二等辺三角形を作るのは2024年8月28日21:31ごろ(空に見えるのは翌29日明け方)で、それほど先の話ではありません。このときは木星も近くに輝いているでしょう。(※火星と木星は2024年8月14日23:50ごろに18.5′角まで大接近します!)火星は2025年1月の地球接近に向けて徐々に復光を始めているころ。ぜひご覧になってください。

今日の太陽2023/03/20

20230320太陽
昨夜から今朝は晴れ後曇り。朝からは回復し、よく晴れています。ただ、明日からしばらくは前線が停滞して曇りや雨が続く予報。せっかく桜が咲き始めているのに、もったいないですね。

20230320太陽リム
左は9:40過ぎの太陽。左上の二群は活動領域13258、13260(リムに近いほう)と採番されました。左下の13256近くには細かな黒点を含む13259も追加されました。右リムにたくさんの活動領域が消えつつありますが、また左から供給されてよかったよかった。右端のプロミネンスが不思議と目立ってますね。