三重の中村祐二さんが一晩にふたつ突発天体発見 ― 2022/09/01
三重県の中村祐二さんがわずか二時間あまりの間に突発天体をふたつ発見しました。ひとつは8月28日22:34JSTごろで、アンドロメダ座に15.6等の天体(TCP J00002937+3811435)、もうひとつは29日0:27JSTごろで、ペルセウス座に14.9等の天体(TCP J02545104+3633460)です。
ふたつとも撮影しやすい位置でしたが、当地・茨城の夜は曇りや雨続き。ようやく昨晩に雲越しの星空へ望遠鏡を向けることができました(上画像)。どちらも二日経つうちに暗くなってしまったようで、特にペルセウス座のほうは限界等級ギリギリでした。青っぽい色なので矮新星のようですかね?晴れ間はあったものの下り坂だったため、夜半前頃から雲が多く、また厚くなってゆきました。追い立てられるような撮影になってしまいましたが、何とか撮り切ることができてラッキーです。
時間は前後しますが、8月最後の夕方は雲間にぼんやりした月が見えました。新月以降ずっと月が見えませんでしたが、ようやく四日月を拝むことができました。下C画像は31日19時少し前に高倍率デジカメのみによる撮影で、太陽黄経差は約48.00°、撮影高度は約14.99°、月齢4.07、画像左右を水平方向に合わせてあり、弦傾斜は約61.68°。秋が近づき、夕月がそそり立つようになりましたね。もう二日くらい前に観察したかった…。
さらに、前述突発天体撮影後に機材チェックをする必要があり、雲間の火星を狙ってみました。夜半頃から風が望遠鏡を揺らすようになった上に雲量が8割、シーイング最悪という条件でしたが、どうにか大シルチスや北極の白い雲が判別できたようです(下D画像)。無理して撮ることもなかったんですが、何となく。
今日の太陽 ― 2022/09/03
雲に阻まれ月は見えず… ― 2022/09/04
昨夕は比較的好条件で月面X&LOVEが見えそうだったので明るいうちから望遠鏡を用意。この段階ではほとんど雲の無い快晴だったのですが、視野に月面Xを導入した途端に雲が急速に空を覆ってしまいました。わずか5分ほどで皆曇…。為す術もありません。ひとまず目ではX、O、V、E(まだ未完成)までは確認できたから良しとしましょう。
軽い仮眠のあと空を見ると再び快星。もう月は沈んでしまったので望遠鏡を木星へ。ちょうどエウロパが木星に影を落としており、エウロパ自身も木星を食するタイミングでした(上A画像)。肉眼で見た空は落ち着いていましたが、拡大像では堪え難いほどシーイングが酷く、また3m/sほどの風が時折望遠鏡を揺らします。30分以上空けてふたたび見ると、エウロパは判別できないくらい木星になじんでしまいました(上B画像)。でもちゃんと写ってますから探してみてください。このときはシーイングがやや改善されました。住宅地から観ているため、方向や時間帯によって気象起因以外の大気揺らぎが存在します。
合間に望遠鏡を動かし、南中を過ぎてしまった土星も観察。衝から一ヶ月半過ぎ、環に映る土星本位の影が大きくなりましたね(下C画像)。低空に火星が昇ってきたのでもう少し高くなったら火星も…と思ったら、またしても雲が空を覆ってしまいました。休憩を挟み、本日3時前に三たび空を確認したら薄雲の合間に火星が見えてる!気温は宵から2、3度しか変わっていませんが念のためピントを合わせ直し、ささっと観察&撮影(下D画像/E図は撮影時のStellariumシミュレーション)。
撮影時にも度々減光、撮影直後に曇られたほど酷いコンディションでしたが、左上リム際に大シルチス、そこから右下へ向かって小シルチスやキンメリア人の海など低いアルベドの模様が確認できました。北極側の雲も見えますが今回も南極冠は見えず。小さいので、かなりシャキッとしたシーイングでないと無理そうです。8月に火星を見始まったときはアルデバランとの光度差をあまり感じなかったのに、昨夜は差が歴然。着々と接近してるんですねぇ。もう四、五日後には火星とアルデバランが最接近です。