オリエンタレ・ベイスン以外の月縁も楽しむ2021/12/27

20211227_26637月
昨夕に雲が出てしまったものの、夜から今朝まで透明度の高い快星夜になりました。明け方の気温がマイナス5.4度まで下がり、今期一番の…というより、当地・茨城県南部では最低記録レベルの冷え込みです。明け方の月面のみに絞って観察を行いました。

本日27日11:24に下弦を迎えますから、明け方見えた月はほんの少し膨らんでいます。左は4:20前の撮影で、太陽黄経差は約266.37°、撮影高度は53.0°、月齢22.48。プラトーやエラトステネス、マギヌス、クラヴィウスなどが夕方を迎え、アペニン山脈は半分夜になってしまいました。直線壁がとても良く見えていますね。シーイングが前夜より更に悪くてずっと見ていると酔いそうになりますが、やはり欠け際観察は面白い!

ここ数日オリエンタレ・ベイスンが地球側を向く期間ですから、今朝も拡大してみました。毎回ここばかりでもつまらないので、同じように見頃である位置を円周に沿って見てみました。実はオリエンタレ・ベイスン南にある月面最大のクレーター「バイイ」付近も、オリエンタレ・ベイスン北にある二重クレーターのような「アインシュタイン」付近も、地球側を向くピークを迎えていたんです。

月縁北西端から南西端にかけて、3シーンに分けて撮影したものが下画像です。シーイングが悪く像に締まりがありませんし、太陽が真上から照らすような月相で両極以外の凸凹が全くわかりませんが、月縁近くの地形をどれだけ見つけられるか挑戦してくださいね。(※Bの右はAの左に、Cの左はAの右にオーバーラップしています。)

20211227オリエンタレ・ベイスン付近

A.オリエンタレ・ベイスン付近
20211227バイイ/バーデ付近

B.バイイ/バーデ付近
20211227アインシュタイン/ラボアジェ付近

C.アインシュタイン/ラボアジェ付近

★地形の答え合わせをしたい方のために、下に月縁付近のクレーターマーカー付き画像を用意しました。ただしオリエンタレ・ベイスン付近の画像のみです。残りは自力で頑張りましょう(笑)。

20211227オリエンタレ・ベイスン付近
因みに、これらのうち確実に裏側(西経90°以上)なのはDrude、Focas、Mare Orientale(東の海)の奥側、Maunder、Sundmanあたりだけで、Graff、Baade、Wright、Kopff、Einsteinなどのクレーター中心位置は表側です。裏の地形を見ることがいかに困難か分かるでしょう。その時々にもよりますが、月縁からの角距離が木星の平均視直径(約40″)の半分ほどしか無い狭い世界を見ているんです。

今日の太陽2021/12/27

20211227太陽
朝からよく晴れていますが、昨日同様6m/sオーバーの冷たい強風が吹いています。透明度はとても良い青空ですが湿度はカラカラ。

20211227太陽リム
左は10:30頃の太陽。活動領域12918の黒点群が中央子午線通過中です。明日は南半球の12916も到達しそう。長いダークフィラメントの一部が光球外へ出ていると思われる右下のプロミネンスですが、思っていたほど大きくはありませんね。それともこれからかな?左やや上リムにも背の高いプロミネンスが見えました。