明るい星の重星系はどこまで見えるか・Part22021/05/19

20210326_ベガ重星系
Part2では、春のあいだに時間を作って試写した5個の1等星について、伴星の様子をご覧いただきましょう。(※Part1のシリウスは省きます。)下表には「普通に処理した元画像」と「元画像を見やすくして星図を重ねたもの」の二種、およびコメントを記してあります。伴星と思われる星像には緑直角マーカーを記し、それ以外の星像は印を付けないでおきました。

Part1で示した星図プログラムを元に同定していますが、観測年代起因と思われるズレが常につきまといます。そのズレがどの程度か知る術がないため、「これが絶対に伴星だ」と言い張るつもりはありません。先駆者が少ない分野は資料不足で不自由しますが、それ自体が楽しみとも言えますね。

特に大口径の明るい光学系を使った訳ではありません。主星光度や伴星離角の兼ね合い次第ですが、条件をうまく設定すれば露光1秒未満の多枚数撮影…いわゆるラッキーイメージングでも13等程度の伴星が捉えられると分かりました。今後は検証法や撮影法を改善しつつ、我が家から見える1等クラス全部と、主要な2等クラスの重星系を網羅してみようと考えています。(→Part1へ戻る

元画像+星図コメント
20210326_レグルス重星系
20210326_レグルス重星系
レグルス(2021年3月26日撮影)
確認できた伴星はB、C、Dの3個。このうちBとCは2.2″(2019年値)しか離れていないため、シーイングが悪いと分離しないかも。Aから測ったDと、Bから測ったDが微妙にずれてますが、そもそも基準のBが現在位置と合ってないため、測定年起因のずれだろうと思われます。
20210412_スピカ重星系
20210412_スピカ重星系
スピカ(2021年4月12日撮影)
確認できた伴星はBとC。主星そのものもAa・Ab・Acで構成される連星系ですが、一番離れている7.5等のAcでも0.5″角しかありませんから、分離撮影は困難でしょう。
20210412_デネブ重星系
20210412_デネブ重星系
デネブ(2021年4月12日撮影)
確認できた伴星はBのみ。もともとこれしかありません。方向角190°あたりに星像がふたつ確認できますが、これは伴星じゃないのか…。
20210326_ベガ重星系
20210326_ベガ重星系
ベガ(2021年3月26日撮影)
確認できた伴星はB、C、D、E、Q、Rの6個。WDSに伴星が21個も載ってる子沢山なのです。織姫よ、君って娘は…ww 主星近傍の暗い星はともかく、OとSは頑張れば写りそう…(位置がずれてなければの話)。
20210326_アルタイル重星系
20210326_アルタイル重星系
アルタイル(2021年3月26日撮影)
確認できた伴星はB、C、D、E、F、Gの6個。それぞれ微妙にずれているのは公転なのでしょうか?それとも連星ではなく、固有運動や距離差による年周視差?主星光度がやや暗めだから相対的に露出を延ばしても伴星が覆われる心配がなく、とても撮りやすいです。背景に天の川の星々がたくさん写って面白い。でも符号がついてない星が伴星ではないという根拠はどこに?
元画像+星図コメント


  • 星図描画は自作プログラムによります。Part1にも記しましたが、水色ドットが計算位置、黄色文字が伴星符号、緑直角マーカーが該当伴星と思われる実像位置です。
  • 画像上方向を天の北方向に統一してあります。ただし各画像の撮影条件や縮尺はバラバラです。
  • 記載した星図は記事掲載時点で最新のWDSデータを使用しました。軌道が分かっている連星の位置修正は行わず、WDSの最新データのみで描画しています。
  • 文字やマーカーが見辛いところがあります。ご容赦ください。
  • 連星系という言葉はあっても「重星系」とは言わないでしょう。ただ、当記事中では「公転軌道が解明されていない伴星は連星に含めない」というニュアンスを込めて「重星系」という表現にしました。あくまで当ブログ内での表現です。


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