2021年の台風1号が発生2021/02/18


20210218-0600UTC台風1号
気象庁によると、昨日発表されていた「台風になるかも知れない熱帯低気圧」が、本日15:00に台風1号「ドゥージェン/DUJUAN」になったとのこと。本年最初の台風発生です。直前の台風2020年23号の発生から60日と6時間が経過、23号消滅からは58日経過後の発生です。つまり約2ヶ月間は台風が発生していません。

左は発生時の衛星画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。ナチュラルカラー処理のため、薄水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。赤点線円は台風中心の直径1000km円を表しています。画像上側なかほどに奄美や沖縄があります。

台風1号は引き続き西進しており、日本へ直接の影響は無さそうす。統計的に年間でいちばん台風発生が少ない時期ですが、コロナ禍もありますし、お近くのみなさんはご注意ください。

年間ACE合計値の変化
ついでと言ってはなんですが、昨年発生した台風のベストトラックが気象庁から公開されていますので、台風の蓄積エネルギーを表すACE(Accumulated Cyclone Energy)が計算可能な1977年以降昨年までの全ACE値を計算、年ごとに合計した値の変化グラフを右に掲載しました。対象エリアは気象庁の台風監視区域(東経100-180°、北緯0-60°)、日時はJSTではなくUTC区切りです。(※日本に接近上陸した/しないはACEに影響しません。)

これによると、昨年は1999年、2010年、1998年についで四番目にACE値が少なかった年でした。日本への上陸がひとつもなかったけれど、アジア圏全体としても台風蓄積エネルギーの放出が少なかったと言えましょう。(※被害が少なかったわけではありません。)長い目で見ると、ACE値の増減はエルニーニョ/ラニーニャのサイクルとやや強い相関関係があります(→2018年11月9日記事参照)。昨年夏以降継続していたラニーニャ現象は今年春に解消する見込みで、その後はエルニーニョへ転じる可能性があります。そうするとまた強大な台風や、弱くても息の長い台風が多く発生…といったサイクルへ突入する可能性が高まるでしょう。

なお、月間ACE値のデータはアーカイブにまとめてあります。ご参考まで。

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